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【東部労組マツモト支部】固定残業代裁判の証人尋問で勝利を確信!

2024年09月27日 10時39分44秒 | マツモト支部の闘い
【東部労組マツモト支部】
固定残業代裁判の証人尋問で勝利を確信!

全国一般東京東部労組マツモト支部が会社に固定残業代の無効と残業代の支払いを求めている裁判の証人尋問が9月26日に東京地裁で行われ、いかに会社の賃金制度がでたらめな内容かがいっそう明らかになり、組合側の勝利を確信させるものとなりました。

証人尋問は会社側役員と松本社長、組合側はマツモト支部の相原組合員と福井組合員に行われました。午前10時から昼休憩をはさみながら午後4時半ごろまでの長時間にわたりましたが、東部労組各支部に加えてプレカリアートユニオン、東京ゼネラルユニオン、全労、JHUなどの友好労組の仲間が多数傍聴に駆けつけました。

マツモト支部の三嶋委員長の尋問は病気によって医師から「余命」宣告を受けた関係で7月に先行して行われ、この日の尋問はそれに続くものとして実施されました。

この裁判は、コンビニなどのごみ収集運搬を手がける同社が固定残業代制度を悪用して残業や深夜労働の時間に応じた手当を労働者に支払っていないこと、それによって深夜連続勤務を長年にわたって強いられた労働者が病気や重大な事故によって健康を害している問題を組合側は訴えています。

この日の尋問では、組合側の酒田芳人弁護士と増本匡樹弁護士からの反対尋問により、松本社長が労働者を採用する際に雇用契約書を作成していないことを認め、固定残業代制度を導入する合意がなかったことが明らかになりました。

これまで会社側は採用面接時に固定残業代について説明したと主張していましたが、そのことを問われた社長は「多くの面接を手がけているのでよく覚えていない」と曖昧な内容で、あげくの果てには「どんぶり勘定だった」と悪ぶれる様子もなく答えました。

まさにこの「どんぶり勘定」というずさんな会社の管理と体質こそが組合側が一貫して問題にしてきたところなのです。固定残業代を名目にすれば、何時間働かせても残業代を1円も払わなくてもよい、深夜働いている人も昼間働いている人も同じ賃金で構わないという労働基準法の趣旨に反する賃金制度を前提にしたことにより、特定の労働者は過酷な深夜労働を連日連夜やらされるという状態が横行しました。その結果、同支部の組合員3人をはじめ多数の労働者が病気やけがで健康を損なう形になっています。

ところが、社長はこの日の尋問でも、労働者の安全を犠牲にしていることへの反省すら表明せず、固定残業代部分をのぞく基本給だけでは東京都の最低賃金を下回っていたことも「勉強不足だった」の一言で済まし、日中と深夜の労働では労働者に与える負担が違うのではないかという質問にも「昼と夜で区別はしない。(制度を)変えるつもりはない」と頑迷な態度でした。

また、同社の就業規則・賃金規程に固定残業代制度の導入を記した箇所がないことも追及されましたが、社長は記載内容すら「把握していない」と答えたうえで、「(残業代は)アバウトに含まれている」と強弁しました。このような固定残業代制度は、過去の最高裁判例と照らし合わせても、違法であることは明らかです。

他方、同支部の相原組合員と福井組合員はいずれも尋問で休憩時間がろくに与えられずに連日連夜の仕事に追われている過酷な労働実態と会社側の不当なやり方を訴えました。相原組合員は「会社は労働者を大切に思っていない。深夜勤務と日中勤務とのローテーションすら組んでいない」、福井組合員は「会社は労働者に対して向き合って一人ひとりのことをもっと考えてほしい」とともに怒りを表しました。

尋問終了後、裁判官はただちに結審し、判決を12月19日に言いわたすことを告げました。

最後にマツモト支部の相原組合員と福井組合員は裁判所前で、病床にある三嶋委員長の分も合わせて、弁護団とともに勝利への決意をこめたガッツポーズで締めくくりました【写真】。
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