前時代的「借金漬け労働」をなくすため、
プロパンガス配送労働者が立ち上がる!
プロパンガス販売大手で東証一部上場の「日本瓦斯」(ニチガス、本社:東京都中央区八丁堀)の協力会社で、ニチガス株の5.6%(出資率第二位)を保有する「東陽ガス」(本社:埼玉県春日部市)のプロパンガス配送員は前時代的な「借金漬け労働」をなくすため、11月10日、全国一般東京東部労組東陽ガス支部を結成しました。
東陽ガスにおいては、「雇用契約」と「業務委託契約」という「二本立て」の契約のもと、配送員が非常に劣悪な待遇の労働を強いられてきました。会社の指揮命令のもと業務に従事しているにもかかわらず、配送にかかる経費を収入から差し引かれ、また、通常であれば企業の経費として計上されるべき車輌のリース代やガソリン代、はては車輌に搭載するカーナビ代まで労働者負担とされています。
そして、その毎月の経費負担が配送の歩合収入を上回った場合、手取りが数万円、また、収入が「マイナス」となり、会社にいわば「借金」をしている状態となっている労働者もいます。私たちの調査によると、この「借金」が数十万円にのぼる労働者もいます。
このように、月の収入が著しく低く、生活のできない状態の労働者は、会社と金銭貸借契約を結び、年金利6%で生活資金を借りるという有様です。そしてこの借金は、退職した場合、一括して返済しなければならないというものなのです。借金を返済できなければ、東陽ガスがどんなに劣悪な労働条件であっても次の職を探すために退職するということは困難になってしまいます。
このような「借金漬け労働」をなくすため、東陽ガス労働者は組合を結成、11月18日、会社の状況を社会的に訴えるため、加藤晋介弁護士同席のもと、厚労省記者クラブで記者会見を行いました(上写真。前列手前が加藤弁護士)。
これを受け、毎日新聞がWebで記事を配信、翌日の朝刊にも記事が掲載されました。
以下、毎日新聞のWeb記事です。
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プロパンガス販売大手「日本瓦斯」の協力会社「東陽ガス」(埼玉県春日部市)の配送員が「雇用」と「業務委託」の二重契約を結ばされ、労働者として指揮命令を受けながら車両リース代やガソリン代など全経費を給与から天引きされたとして、全国一般東京東部労組東陽ガス支部を結成した。天引きをやめることなどを求めて18日、会社側に団体交渉を申し入れた。
同支部の井上委員長によると、同社の雇用契約は固定給22万円に配送本数に応じた賃金が積み上げられる一部歩合制。ところが経費はすべて配送員持ちで、使途不明の管理費まで天引きされるため、控除が給与を上回り、支給額がマイナスになる場合が多い。
井上委員長は「月に1000本配送すれば固定給分を維持できるが、前夜に配送地域を言い渡される仕組みで、効率よく回れないため数百本が限界」と話す。会社からの借金の6%の利息まで天引きされ、辞めるに辞められなくなるという。
組合には既に27人が加入。支援する加藤晋介弁護士は「雇用だと言って労働者を指揮命令し、業務委託だと言ってあらゆる経費を負わせる、ひどいやり口。労働基準法違反で提訴も検討している」と話している。【市川明代】
毎日新聞 2010年11月18日 22時02分
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その矢先、会社は組合員が記者会見に出席したことを「業務放棄」として、翌日以降の仕事を一方的に停止したのです。東陽ガス労働者にとって、仕事ができないことは即、収入の低下に結びつきます。そして「借金」が増えることで、生活の維持がますます困難になります。会社はそれを狙い、露骨な不当労働行為・組合つぶしを行ってきたのです。
東陽ガス支部は、このような組合つぶしに屈することなく、「借金漬け労働」をなくし、労働者の生活と権利を守るため、闘っていきます!
みなさんの激励・ご支援、お願いいたします。
全国のプロパンガス関連の労働者に訴えます!
労働組合をつくって働きやすい職場をつくりましょう!
大変ですが、がんばってもらいたいです。
みんな、続け~!!
私もそうでした。
あんな会社懲らしめちゃって下さい。
応援します!!
しかしながら実情は、入社してから即日東陽ガスなどの配送部門に出向させられ、3年間の出向後、日本瓦斯の営業に戻れるとの謳い文句の求人募集です。
年間休日約80日は入社してから出向先の先輩社員に知らされ、実のところ、配送員不足の現状を日本瓦斯の名前をつかい、分別のわからない若者を冬の繁忙期前にかき集め、東陽ガス訴訟に伴う退職者の穴埋めにあてる腹積もり。
おそらく訴訟問題になるでしょう。