新宿 東寶
女の敎室
解説
東京日日新聞連載、吉屋信子女史執筆の長編小説から、山崎謙太がシナリオに脚色し、阿部豐が演出した東寶映画秋期超特作の一つ。撮影の町井春美、音樂の飯田信夫、裝置の松山崇、いづれも東寶ベストスタッフ。今週はその第一篇「學校の卷」の上映。
〔配役〕
轟有爲子 ‥‥‥ 千葉早智子
蠟山操 ‥‥‥ 竹久千惠子
仁村藤穂 ‥‥‥ 霧立のぼる
羽生與志 ‥‥‥ 神田千鶴子
細谷和子 ‥‥‥ 椿澄枝
伊吹万千子 ‥‥‥ 里見藍子
陳鳳英 ‥‥‥ 原節子
幾代 ‥‥‥ 花井蘭子
英吉 ‥‥‥ 河村弘二
操の母 ‥‥‥ 英百合子
藤穂の母 ‥‥‥ 水町庸子
有為子の弟麟也 ‥ 澤村昌之助
與志の姉 ‥‥‥ 一ノ瀨綾子
ばあや淸 ‥‥‥ 竹河豐子
校長 ‥‥‥ 藤間房子
舎監 ‥‥‥ 小柳久子
万千子の姉 ‥‥‥ 淸川玉枝
〃 ‥‥‥ 伊達里子
万千子の父 ‥‥‥ 汐見洋
万千子の母 ‥‥‥ 伊藤智子
和子の父 ‥‥‥ 小島洋々
〃 母 ‥‥‥ 三條利喜江
敎授 ‥‥‥ 眞木順
〃(新協劇團)‥‥‥ 原良子
女生徒 ‥‥‥ 宮野照子
〃 ‥‥‥ 戸川弓子
〃 ‥‥‥ 星ヘルタ
〃 ‥‥‥ 林喜美子
〃 ‥‥‥ 永岡志津子
〃 ‥‥‥ 伊村利江子
〃 ‥‥‥ 菊川郁子
〃 ‥‥‥ 京町ふみ代
〃 ‥‥‥ 松平和子
〃 ‥‥‥ 靑木登志子
〔物語〕 「東洋女子醫學專門學校」本科四年の轟有爲子、蠟山操、仁村藤穂、羽生與志、細谷和子、伊吹万千子、陳鳳英の七人は學校に於ける仲よし同志だった。しかし藤山操は女學校にも上らず專驗にパスしてこの女子醫專に入った努力そのものの女性で、やゝもすれば彼女と反對の性格を持つ仁村藤穂と衝突した。學生生活最後の夏休が彼女達に訪れた。その頃藤穂は自分の意思を無視した結婚話を退け、敢然自活の道を開こうとした。思ひ餘った彼女は有爲子を尋ねて、今後の身の振方につき、姉とも思ふ有爲子に賴むのだった。美しい友の心を感じた有爲子は快くそれに應じた。秋風立ち初める頃、許婚の待つ故郷南京の病院に就職が決定した陳鳳英の爲に、別れのピクニックに出掛ける事になったが、操一人はそれを拒んだ。何も知らぬ藤穂は怒って操をせめるのだった。卒業試驗の間近い頃有爲子は病の床に送られたノート、それは操の淸らかな友情だった。居合せた藤穂は、有爲子の話によって初めて操のつゝましい友情を知った。卒業試驗が無事に終末を告げた日、今は思ひ出の校庭で藤穂は操を前に一切を謝した。卒業の日も迫った。七人の内、操は研究室に入り、有爲子も亦京都醫大の研究室に、藤穂は彼女の紹介で同じ京都の病院に就職出來た。與志も病院勤めがきまり和子と万千子は卒業と同時に家庭の人となるべく樂しい夢の中に卒業を待つ身であった。卒業の日は遂に來た。やがて、彼女達を待つものは、世間の「女の敎室」である。 (映寫時間 一時間三十三分)
上映順序
八月三十一日ー九月六日
阿部豊演出
③女の敎室(第一篇)
東寶直營 東寶映画劇場
電話四谷(35)一一四六番