うちの猫が下痢をしていて元気がない。
生後7か月の♀。
野良だった母猫にネグレクトされ、不器量ゆえ、たぶん貰い手がつかないと見込まれて、猫の保護団体の人の庭の段ボール箱にミルクだけもらって放置されて1か月。
見に行った暑い5月の日。
小さいのでもう少ししばらくして、と思ったら、自転車で行った私たちに「さあ持っていけ」「すぐに持っていけ」と言わんばかり。
3日ほど後電車に乗ってもらいに行ったら、「ああよかった。あと2日貰い手がつかなかったら保健所送りだった」。
そのせいか、噛みつき癖が止まらない。
余りかまいつけない娘や夫には噛まない。
私だけに噛むから、たぶんかまい過ぎなんだろうけど、「可愛いねえ」と4,5回撫でると、ガブ。
「痛いよ」というと、私の腕に両手足でしがみついてガブガブガブ。
気分次第では、なにもしないのに襲いかかってくる。
噛まれて反撃してみた。
噛み返す。
叩く。
するとけんか腰で反撃してくる。
遊びか反撃か。
本人(猫)もわかっていないのではないか。
噛み返されたらやめるというのは、「己の欲せざるところ人に施すなかれ」という孔子の教えがわかっている者にしか通用しない。
ああ。
流し台に平気で上がる。
叱って叩いても、反撃するだけ。
怒られたからやめようとは思わないらしい。
料理を作っていると、前の台からじっと見ている。
興味を惹かれると降りて来て「それなあに」
実にアナーキーな勝手放題。
だが、猫という種族はこの路線で長らく生き抜いてきた。
捨てるなら勝手にしろ、と単独者である猫のDNAが、サルの私のDNAに言っている。
困ったが、嫌なら捨てるか処分するかしかない。
どちらもする気がないから、これはがまんしてやるしかない。
おばあさん猫になるまで噛んでいなさい。
というわけで、噛まれるのにも慣れて、ほとんど意識しなくなっている。
少し倒錯か。
それが昨日の朝、お尻が汚れていたので湯で洗ってやった。
以来、噛まない。
縦横無尽に家中駆け回っていたのにおとなしい。
どうしたんだ、れびちゃん
(黒が主体のなんともいえない雑巾柄―いわゆる「サビ猫」―で、あえて美しく言うならば、木陰で憩う茶猫に見えなくもないので『木洩れ日』と名づけた。後ろ二文字で「れび」と呼ぶ)。
おとなしい、と言っても、それは『当社比』で普通の猫みたいにしているだけなんだが。
早く元通りに暴れてほしい。
-K.M-