1980年から始まった「ゆとり教育」の頃、私は江東区の埋立地に出来て間もない学校で小学校一年生の担任をしていました。
未だ若く未熟だった自分が、当時の学級通信からもうかがえます。それでも、気持ちだけは熱く燃えていたようです。少し紹介します。
<都合により出勤時刻が遅れた時>
ある日、2校時の途中に校門に着きました。まっすぐ教室に目をやると、みんなきちんと座って勉強していました。ああ、誰か他の先生に指導されてるな…と思って近づきました。
一人の子と視線が合いました。すると、今まで静かにしていた(と思われる)子たちもいっせいに立ち上がり騒ぎだしました。
そうです。その時は教師が誰もいなかったのです。
そのまま教室に入ると、だれかさんの「イッセーノ」というかけ声と共に「ワー‼︎」という叫び声が教室中にひびきわたりました。みんなニコニコ顔です。
こんな嬉しい歓迎をされるのです。6年生くらいになると、「あーあ、もう来たの…」なんて皮肉を言われるのが関の山ですが、そこは可愛い一年生のこと、毎日きびしいことを言われていても、僕たち私たちのセンセイを暖かく迎えてくれるのです。
とこりで、何を勉強したのかな…とノートを見ると、けっこうみんなていねいにひらがなの練習をしてあったりして、むしろ担任の私なぞいない方が真面目にやったりする子もいるのではないかと思うほどです。たまには、他の先生に指導されるのも刺激になっていいかもしれませんね。(因みに、私が校門に着いた時は所用があって補教の教師は不在でした。)
そういえば、いつだったか校長が来ていた時もありました。お互いに何かを感じ合ったりして……(担任はハラハラしたりして)、ハプニングもたまにはいいでしょう。
-S.S-