水曜日に、俳句の仲間としまなみ海道大島へ出かけた。
大島港からは潮流体験船が出ている。
晴れた日に私たち五人は潮流船に乗った。
近くに船折の瀬戸など激しい潮流が流れている。
そのただ中にある能島には能島村上氏の居城跡がある。
海が沸き立ってきて、やがて渦となる。
激しい瀬戸の流れは左右別々に流れていく。
そのただなかにある能島は、童話の中の島のようなさみどりだ。
さて、大島に戻り、村上海賊博物館を見学した。
瀬戸内海賊村上氏は海外とも交易していたいわば海の領主である。
博物館の展示もていねいなものだった。
仲間が熱心に見学しているので、ちょっと飽きた私は1階エントランスのベンチに座って仲間を待っていた。
その日は、松山市内の小学生たちが4台の貸し切りバスで校外学習に来ていたが、3人の子どもとボランティアガイドらしき老人がベンチにいた。
そのうち若い女の先生が来て、しきりに一人の子どもに何か確かめている。
その子はバスの中で嘔吐してしまったらしい。
それから、子どもに乗り物酔い止めを飲ませていいかどうか、方々へ確認しているらしい。
能率の悪いことだ。
いかにも再雇用の老教師と話し合っては、どこかに立ち去ってはまた戻ってくる。
老教師もボランティアも別の仕事があるらしく、ベンチに来たりいなくなったりしている。
若い女性教師自身も汗をかいて、気分が悪そうだった。
今の教師は鉄の身体と神経がなければ務まらない。
彼女、あんまり小学教師には向いていないな。
そのうち仲間でエントランスにやってきた。
一人が子どもに「どこの小学校?」と聞いていたので、私が「S小よ」と気分の悪そうな子どもの代りに答えると、その子が「どうしてわかったんですか」と、きっとこちらを向いた。
子どもが危険な昨今らしい。
外に出ると、小学生たちがクラス別に記念写真を撮っていたが、ひとりの女の子が鼻を押さえてやってくる。
「鼻血が出ました」という教師。
教師もたいへんだ。
教師が何人いるかはわからないが、なんとなく、ゆとりがないことはわかる。
愛媛県ではあまりの重労働に教師のなり手が少ないと聞いたが、むべなるかな。
-K.M-