郷土教育全国協議会(郷土全協)

“土着の思想と行動を!”をキャッチフレーズにした「郷土教育」の今を伝えます。

「子ども脱被ばく裁判」

2023年11月21日 | 日記

第19回新宿デモは、12月18日の「子ども脱被ばく裁判」仙台控訴審判決に向けて決起集会だった。

 

12月18日の判決は、「親子裁判」で、福島原発事故後、国、県が無防御だった県民に原発事故の状況を明らかにし、放射能から守る方策をとらなかった責任を追及する裁判。

 

安定ヨウ素剤を配布しなかった、スピーディ情報(放射性物質の拡散方向予測)を隠蔽した、初期被ばく量を測定しなかった、20ミリSvで新学期を開始した、山下俊一氏が、放射能は心配ないと県内で講演してまわった・・・我が子に無用な被ばくをさせてしまった無念さ、悔やんでも悔やんでも悔やみきれない悔恨、怒り、将来の健康への不安etc・・・親たちを裁判に立ちあがらせた。

 

福島から原告団3人、二人の共同代表も駆けつけ、2014年8月福島地裁に提訴してから9年、長い長い裁判にそれぞれの思いを込めたスピーチは、ずしんと心に響いた。

 

片岡共同代表は、「この国の政府は、緊急時に本当のことを教えてくれません。大切な事実を隠します。私の体験です。私たちは緊急時に、事実を知り、とるべき行動について民衆のネットワークを作り繋がる必要がある」と語った。

水戸共同代表は「敗訴であっても、裁判することで、国や県のウソ、隠蔽が明らかにされる。それは私たちの運動を強める。勿論裁判だけでは、社会は変わらない。デモすること、民衆が声を上げること。今、政府、その広報機関になりさがったマスコミ、司法も私たちの権利・自由を押しつぶす、ここで私たちが押し返していかないとますます押しつぶされる」。

 

柳原弁護士は指摘する「311福島原発事故は、敗戦だった」しかし、政府も原子力ムラも、「敗戦しても、復興できる」と311事故前と同じ道を走る。

「放射能被害は心配ない」、「健康被害はない」、「復興した福島」―—だから、350人を超える小児甲状腺がんは、原発事故、被ばくとは関係ないと言い張る。

「『風評被害』は復興の邪魔」――疑問、異論をいうと四方八方からバッシングを浴びる。

戦前の日本、今直面している「新しい戦前」の先取り「福島ファシズム」。

 

この厚い壁に、親子裁判の原告、弁護団は真っ向から向き合って、国、県の責任を追及してきた。

福島地裁で敗訴し、仙台高裁で控訴審の判決をむかえる。

 

 

柳原弁護士は、「ここを突破するのは、『令和の黒船』・『国際人権法』だという。先月最高裁大法廷は、性同一障害要件法案で違憲判決をだした。これは国際人権法に基づいている。最高裁が『国際人権法』を取り入れた。この事例を広げ、適用することで日本の司法の、『鎖国『閉塞』をひっくりかえせる」と今後の一つの道筋を語った。

 

柳田たんぽぽ舎共同代表は、「来年9月再稼働と言われる茨城県東海第二原発の3つの危険性をあげ、止めないとフクシマの悲惨が繰り返される」と警告した。

岸田政権が、原発依存、再稼働に進む中で、再び原発事故が起きるリスクに、原告団長今野さんは、高3になった息子さんと並んで立ち「国が子どもを守らないことは、あきらかになった。司法も子どもを守らない。でも我々はあきらめるわけにはいかない。子どもを守らなくてはならない」。

 

そして佐藤原告も「元気だった息子は病気になった。私の持病の難病も悪化している。『直ちに影響は出ない』けど、10年後20年後病気を発症するリスクに向き合って福島で暮らしている。福島原発事故は終わっていない。新宿を行き交う皆さん、我が事として、原発事故を考えて下さい」と声を絞った。

 

 集会後新宿駅を1周するデモ、片岡共同代表が、沿道の人びとに呼びかけ続けた。

私はデモの一行と並行して歩きながら沿道でチラシを配った。

スマホで撮影している人、デモを眺めている人にチラシを渡した。

受け取りはいつになくよかった。

 

 

 

イスラエルのガザ攻撃、パレスチナの子どもたちが毎日虐殺される中で、黙っていていいのか、自分らと関係があるのでは・・・多くの人が戸惑いを抱き始めているような、かすかな変化を感じた。

 

 

 

-Ka.M-


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「れいわズンドコ節」 | トップ | 江戸の仇を長崎で―「支配され... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日記」カテゴリの最新記事