花梅はさらに野梅系、紅梅系、豊後系に分類されることが多いようです。
■花梅の分類
①野梅系(やばいけい):原種に近く、強健種が多い。花や葉が比較的小さい。枝の切口の色が白い。
野梅性:最も品種が多い。若枝は緑色で、日焼けで赤くなる。葉は小さく、無毛。
紅筆性:蕾が紅色で筆のように尖る。日焼けで赤くなる。
難波性:‘難波紅’に似た品種群。枝が密に茂り、矮性気味。挿木の発根性が良い。
青軸性:花は青白色。萼と若枝が黄緑色。日焼けしにくい。
②緋梅系(ひばいけい):ほとんどの品種において、花が紅色。枝の切口の色が赤いことで区分される。
紅梅性:花色が明るい紅色。若枝の色が緋梅性より濃くなく、緑色を帯びる。
緋梅性:花色が濃い紅色。樹勢が弱いものが多く、若枝が黒く日焼けする。
③豊後系(ぶんごけい):アンズとの関わりが深い品種群。花は大ぶりで、淡紅色が多い。成長が良い。遅咲きが多い。
豊後性:アンズの形質が強く出ているもの。桃色の花が多い。
杏性:枝が細く葉も小さい。葉は無毛で、枝は灰褐色。
このうち、甲東梅林で見られた、①野梅系には、
9)道知辺(ミチシルベ)
系統:野梅系・野梅性 淡紅色・中~大輪 花期:1月中旬~3月上旬
・抱え咲き。
・かつて街道などに植えられ、旅人の道標になったということが名の由来とされる。
・抱え咲き。
・かつて街道などに植えられ、旅人の道標になったということが名の由来とされる。

10)冬至(トウジ)
系統:野梅系・野梅性 白色・小~中輪 花期:1月上旬~2月上旬
・早咲きの梅として代表品種。
・花形は整っている。花つきも良い。正月用の寄植えに利用される。
・早咲きの梅として代表品種。
・花形は整っている。花つきも良い。正月用の寄植えに利用される。

11)白難波(シロナニワ)
系統:野梅系・難波性 白色・中輪 花期:1月下旬~2月下旬
・八重咲き。
・さし木で増殖しやすいため、台木に用いられる。
・八重咲き。
・さし木で増殖しやすいため、台木に用いられる。

12)月影(ツキカゲ)
系統:野梅系・青軸性 青白色・中輪 花期:2月上旬~2月下旬
・銘花とされる。清楚な印象が好まれている。
・花弁は丸い。萼は緑色。芳香。
・鉢植えにも適する。

・銘花とされる。清楚な印象が好まれている。
・花弁は丸い。萼は緑色。芳香。
・鉢植えにも適する。

枝の切り口は、折って確かめることができないので、花から共通点を見つけ区分するのはむつかしいですね。