センダンとは
庭木図鑑 植木ペディア
センダン/せんだん/栴檀 より
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センダン/せんだん/栴檀 より
・暖地の海岸沿いや山地に自生するセンダン科の落葉樹。
・ネリコに似た涼しげな枝葉が良好な緑陰を作ることから、校庭や街路に使われる。
・開花は初夏、5~6月。花期には木全体が薄紫色に見える。
高い場所に咲くため観察しにくいため「雲見草」という別名。
・古名はオウチ(アウチ)。
その語源には、
同じ頃に咲くフジに似た淡い花が咲く「淡藤(アワフジ)」が転訛したとする説、
フジに似た花が仰ぐように咲く「仰藤(アオグフジ)」が転訛したとする説、
かつて公家が来ていた藤色の夏服、「楝(おうち)」に由来するとする説 など
・9~12月ごろに熟すクリーム色の大きな果実は、枝先で鈴なりになり、遠目からもよく目立つ。
その姿は数珠がたくさんあるように見えるため、「千珠」と呼ばれ、
それが変化してセンダンとなったとする説、
千個の団子を供える鬼子母神の祭礼、千団子祭の団子になぞらえたとする説 など
・種子の直径は1.5~2センチほどで数珠に使うことができる。
・果実は落葉後も枝に残り、ヒヨドリ、ムクドリ、ミヤマガラスなどの野鳥が食べる。
人間にとっては不味くて食用にならず、嘔吐、腹痛などを引き起こすとされる。
漢方では果実を「苦練子」と呼び、整腸、鎮痛、あかぎれ、ひびわれに使う。
・「栴檀は双葉より芳し」(センダンは苗の段階から良い香りがするように、才覚のある人物は幼少時からそれを発揮するという意味)で知られるが、本来これは熱帯アジア産のビャクダン(白檀)を語ったもの。
清少納言の「枕草子」では「木のさまにくげなれど楝(あふち)の花いとをかし。」と詠まれ、花の美しさなどを表現しています。
青空に浮かぶセンダンの実は存在感がありますね。