よく分かる 住まいづくり・・(檀建築コンサルタント)

私達の考える住まいは、住まいづくりの原価を探り、無駄のない資金で、遊び心のある家を作る事。

夢づくり

2010-04-07 08:22:31 | 住まいづくりの進め方、考え方

 物づくりは費用だけを考えて作れるものではないが、しかし現実は”費用ありき”は否定することは出来ない。
物を動かすだけで費用は発生し、組み立てる手間がかかれば高くつく。
設計段階では、それを念頭に置きながら設計しなければならない筈が、無責任な設計者はデザインを優先し書き上げた設計図が予算に合わなくなる場合があり、施主の望むものと違った所で予算があがり、設計者の欲望を満たす為の作品になる場合もある。

過去の、ビフォ-アフタ-の番組に取り上げられた大阪の設計事務所に依頼したクライアントが、その事務所で設計してもらい、予算を出したところ2700万円の金額となり、予算を700万円もオ-バ-し、当初から予算は2000万円だと伝えて設計してもらった筈が、結果は予算を無視した設計図面となった。

私がその設計者に電話をし、高くついた理由を聞くと、クライアントの要望を満たすとそうなる」・・との無責任な解答が返ってきた。
彼にはメディアに取り上げられたと言う”おごり”があり、自分を生かす設計となったのだろう。
私は彼に、クライアントに設計費用の半額を返済するよう勧めたが、彼は一切応じなかった。
有名人を作り出すメディア側にも責任があるが、それを有名だからという理由で受け入れてしまう視聴者にも問題は確かにある。

番組の冒頭に「人は 夢づくりの貴公子と呼ぶ」とそんな”ふり”で設計者を紹介するのが定番となっているが、そう呼ぶ人は誰も居ないだろうが、視聴者側からするとその言葉が意味を持つことになる。

無責任な演出をするメディア側、その演出に答えようとする設計者、一番大事なのは施主の筈が、主役は自分だと考える馬鹿な設計者だったのかも知れない。