よく分かる 住まいづくり・・(檀建築コンサルタント)

私達の考える住まいは、住まいづくりの原価を探り、無駄のない資金で、遊び心のある家を作る事。

K邸リホ-ム

2010-09-11 11:47:56 | K邸リホ-ム

K邸も完成が近づいてきた、おばあちゃんも大満足、85年の年月を経て、新しくリホ-ムされ、過去の思いを残し古い物と新しい物が、強調し合い住む人の思いの中で混じり合い、感慨深い思いとなって住む人の心を和ませるだろう。
次世代に語り継がれ、この家が残っている間は、語り継がれ、その言葉の中から過去の人に思いを巡らせる事にもなる。

            

昔は、扇風機すら無かった時代、今ほど夏は暑くは無かっただろうが、徒然草の中にも「住まいは夏をむねとすべし」とある。
夏の暑さをしのげる住まいが良い住まいと考えられていた。
ここに使っている”よしず”の建具は正に、その時代の夏を涼しく過ごす為の工夫で、夏用の建具として作られ、85年間保存されていた。

今回、そのよしず建具を使って、建具引き込み用の飾り仕切りとして生かす事を提案したのだった。
大切に保存されてた為、手直しも殆ど無く、下桟がすり減っていたため、増し木をし、寸法を調整。

 

             

続きの間の和室、縁側のガラス障子も、切り込まれたガラスも、昔のままで、今は既に作られていないガラスもあり、昔はガラスは希少価値が有ったのだろう、割れた時のために、予備のガラスも作られて保管されていた。


            

            
欄間も天井板も、85年の歳月を経てこの間に残し、この続きの間は、おばあちゃんと、昔のままの原型を残そうと話し合った。
当初、天井は諦めなければならないと思っていたが、解体作業が始まる前に、薬品で洗った結果、残せる事が分かったのだった。