よく分かる 住まいづくり・・(檀建築コンサルタント)

私達の考える住まいは、住まいづくりの原価を探り、無駄のない資金で、遊び心のある家を作る事。

原価を探る

2010-09-22 07:46:10 | 住まいづくり

総工費2億円の改修工事が始まり、着工は10月中旬にはなる予定ではあるが、工事に先駆け、今、予算調整を行っている。
住宅の費用と違って桁が違ってくるが、基本的な考え方は一緒のはずではあるが、理解に苦しむ結果が出るのは一体何故に?・・と頭の中が混乱する。

例えば、屋根工事見積もり金額1、400万円が交渉の結果最終決定金額700万円で50%オフとなる。
ならば、この見積もり金額は一体何を根拠に出されたものかと疑う。
家具工事も500万必要だと業者は見込んでいるが、どう考えても300万円以下で治まるはす、それを証明するためにこちらで家具の納まりを考え、木取りを行い、手間を出し実行予算を組み上げなければ業者も納得しないだろう。

金額交渉はここまでしなければ本当の金額は出てこない、根拠もなく安くしろと言うだけの交渉は交渉とは言えず、単なる値引きとなり、業者が職人に対し、強引に値引きを行えば結果的に商品の品質が守られず、予算に合わせるだけの結果となる。

金額を調整する上において、必要なことは職人も生活していく上で利益を出さないと生活が成り立って行かなくなり、発注側もそのことを考えながら査定していかなければならない。
施工する立場は、私たちの立場とは違い、とにかく予算を合わすのが最優先であり、それが監督の使命でもあるため、どこか余裕の無い所で無理を承知で実行予算を決めていかなければならない。

私自身、過去に8年間現場に出た事があるが、いいものを残したいと言う思いと裏腹に、利益を残し短期間で工事を終わらせる事が現場監督に要求される為、施工業者の社員としては非常にならざるを得ない。
特に住宅の場合、一人の監督が何軒かの工事を見なければならず、一つの工事をじっくり考え、工夫をするといったような余裕はなく、下請けまかせの場合もあり、私たちの立場と、現場監督の立場は大きく変わってくる。

そんな中、現場監督が目の届かないところを、誰かがカバーしなければ工夫は生まれず、良いものも出来ない為、設計者の立場でありながら、下請けに対しても、施工業者に対しても、安く収める方法が無いものかと考え、職人と打ち合わせ、現場監督と協議し、職種の枠を超えた中で、よりいいものを残す為努力を惜しまず進めて行かなければならない。