人は生きている限り悩み苦しみから逃れることは出来ません。
どんなに裕福で幸せそうな人でも同じです。
悩みの根本原因は、人間の持つ「煩悩(ぼんのう)であると仏教で
は言っています。
「煩悩」とは、心身を乱し悩ませ智慧を妨げる心の働きをいう。と言
っています。私たちが生きている以上、自分の心に抱く煩悩によっ
て苦しまなければなりません。
煩悩、つまり人間の欲望が苦の原因なのです。
煩悩を取り去れば苦から逃れることが出来ると言っても人間は死
ぬまでこの煩悩を無くすことは出来ないでしょう。
この煩悩の中身とは、貪・瞋・癡(とん・じん・ち)の三つで、これは
人間の善心を損なう煩悩なので三毒と言われています。
●貪=貪欲(とんよく) 自分の好む事に向かって貪り(むさぼり)求
める心の事です。物に限らず、地位・名誉・富・性愛すべて
に貧が作用します。人間の欲望には限りがありません。
何事も小慾で足るを知るという心掛けが大切です。
●瞋=瞋恚(しんい) 自分の心に逆らうものに対して怒り怨むこ
とです。怒り怨みを持てば、その対象に敵意を抱くことにな
ります。
●癡=愚癡(ぐち) おろかさですが、仏教でいうおろかさとは、教
養がないという事ではありません。差別する心、自己中心
的な考え方の人を癡愚(ちぐ)な人と見ます。
以上が三毒の中身です。何か感ずることがありますか?
人間は欲によって生きていますが、自分に合った欲で「足るを知
る」を心がけましょう。