岐阜県高山市荘川町(旧荘川村)の国道156号沿いにある「荘川桜」。
この二本の桜は、共に推定樹齢500年といわれています。
光輪寺
照蓮寺
光輪寺・照蓮寺というお寺の境内にあったそれぞれの桜は、御母衣ダム建設により湖底に沈む運命にあったそうですが、ダム建設事業主である電源開発株式会社(Jパワー)の初代総裁高碕達之助氏は、「なんとかこの桜を救えないものか」と・・・当時の桜研究の権威笹部新太郎氏に移植を依頼したとのこと。この移植工事は、世界的にも例がないといわれるほど大がかりなものであり、困難を極めたそうです。しかし、新たな地で桜の活着が確認され、それ以後今も大切に守り続けられている岐阜県指定天然記念物の桜です。
御母衣ダムを建設した電源開発株式会社(Jパワー)の初代総裁高碕達之助氏が伝えたされる言葉が石碑に刻まれています。
「進歩の名のもとに、古き姿は次第に失われてゆく。だが、人の力で救えるものは、なんとかして残してゆきたい。古きものは古きがゆえに尊いのである」と
その地に何百年と根付いていた桜の木。
新たな地へ移植された桜の木。そこで、根付こうとする。そして、生き続けようとする。
二本の桜の木を眺め、そこにある生命力に感動を覚えました。
移植されてから半世紀・・・。目の前の荘川桜は、たくさんの人の支えがあったことも・・・僕らに伝えていると思いました。