あ~すでに感動しました。
宮部みゆき氏のテーマをここまで、きっちり台詞で…。
どす黒いものに巻き込まれそうだ…と訴える主人公(中谷美紀も好演)に、橋爪功さん演じる被害者の遺族でもある豆腐屋の主人が(この人しか演じられないくらい重要で重みある役)
「自分は強くないが、日常を繰り返すこと」しかないと説く。
このドラマの肝。
生きていくうえの不条理、それに対抗する手段は、日常を繰り返すことしかないのだ。
真犯人であるピースをどうやって追い詰めていくか…演技派総出演でラストまで一瞬の隙もなくて、グイグイ引っ張ってく。
久しぶりにガツンと面白いドラマミステリを見たかな。「本当のことはブーメランのように必ず戻ってくる」名言。ピースも何か泣かせたなぁ 。それにしても橋爪さんは凄い。ラストまで泣かせるし。後編は素晴らしかった…まさに宮部氏の小説世界を完全ドラマ化。長編小説だが、その小説を構成するエッセンスの部分をとてもうまく、前後編の尺の中で見せた。映画でもおかしくない仕上がりだった。期待したピースも、まぁ良かったんじゃないか。
ミステリの整合性という観点から考えると、ピースの甘さ…例えば彼の別荘を警察にすぐ知られる点が、挙げられる。周到な計画をもってして犯罪を物語化したピースがなぜ、別荘から身バレする可能性があることに気づかなかったかという点。ドラマでは、このあたり淡々としてそれよりも人間ドラマ的部分に時間を割いているので、そちらを私は評価した。また結果的にこの部分からでしか、犯罪を見抜けなかった警察でもある。クリアになりきれない部分を主人公である中谷が、思いもかけないやり方でラスト鮮やかに見せる。模倣犯というタイトルが中谷の言葉の意味で明らかになる、ものすごい爽快さ。
私明日は仕事。
日常を繰り返すことが大事なので
頑張ろう。