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「浮世絵で楽しむ邦楽、大谷コレクション2、河竹黙阿弥の世界」を観る

2023年03月15日 | 歌舞伎

歌舞伎狂言作者として河竹黙阿弥の名前は有名である。歌舞伎ファンとしては黙阿弥の知識がほとんどないので、紀尾井ホールで「河竹黙阿弥の世界」と題する公演、トークショウがあるのを見つけ、是非観てみたいと思い申し込んだ。

紀尾井ホールはクラシック音楽の公演で何回か行ったことがあるが、邦楽の公演もよく開催している。以前、確か「景清」をテーマにした公演に行ったことがあるので今回は2度目の邦楽鑑賞である。場所は3階の小ホールで、座席数は250席で後ろの席に座っても舞台とかなり近く、迫力がある。今回は、2列目中央といういわばかぶりつきの良い席、5,000円だった。客はほとんどシニアだったが若者も若干見られた。

今回は、紀尾井ホールに隣接するホテル・ニューオータニを作った実業家大谷米太郎氏の膨大な浮世絵コレクションから河竹黙阿弥に関連した作品に焦点を当てつつ、黙阿弥の作品である「白波五人男」、「白波五人女」、「時鳥殺し」を黒御簾音楽で実際に聞き、渡辺保氏や長唄三味線方の八代目杵屋巳太郎氏(57)の解説を聞き黙阿弥の理解を深めるものだ、また、後半は黙阿弥作の長唄「茨木」を聴き、やはり、渡辺氏と巳太郎氏の解説を聞き、作品の長唄を堪能する、という企画だ。

渡辺氏はNHKの歌舞伎番組に解説としてよく出演されているし、歌舞伎関係の本も多く書かれているので、話はわかりやすく、面白い。一方、杵屋巳太郎氏は厳しい訓練を積んでいるのであろうが話しぶりはそんなところを微塵も見せず、人当たりの良い紳士という感じで、かつ、ユーモアセンスもあり、親しみの持てる印象を持った。

「茨木」は、唄方、三味線方に囃子(能管/篠笛・小鼓・大鼓・太鼓)が加わった総勢14名の賑やかな唄だ。この唄方のリーダー的存在(タテ唄)が杵屋勝四郎氏(63)だ、勝四郎氏はコロナが発生した当初、テレビの番組で自宅からパソコンで長唄の稽古をする姿や、エレキギターを演奏する姿などが紹介され、偶然その番組を見て、親しみを持った。性格も温厚でやさしそうな感じの人だが、今日は厳し顔つきで茨木を一生懸命唄っていた。

長唄のメンバーを見ていると、三味線、唄の10名は若手も何名か含まれていたが、囃子の4名はそれぞれの最長老格の師匠が出ていたせいか皆さんご高齢な方ばかりとお見受けした。後継者がしっかり育っていれば良いのだがどうなんだろうか。

引き続き、歌舞伎に関連した事項の理解を深めていきたい。

今日の番組

  • お話「河竹黙阿弥の女たち」
    渡辺 保
  • 黒御簾音楽で聴く河竹黙阿弥
    対談  杵屋巳太郎
        渡辺保
    演奏  尾上菊五郎劇団音楽部
        田中傳左衛門社中
  • 長唄「茨木」河竹黙阿弥作・杵屋正次郎作曲・杵屋巳太郎構成
    唄   杵屋勝四郎、松永忠次郎、杵屋巳之助、杵屋和三朗、杵屋勝四助
    三味線 杵屋巳太郎、今藤長龍郎、今藤龍市郎、松永忠三郎、今藤龍十郎
    囃子  田中傳左衛門社中


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