[ソウル 24日 ロイター] - 発火問題が起きた韓国サムスン電子(005930.KS)の「ギャラクシー・ノート7」に搭載されている電池を製造したサムスンSDI(006400.KS)は、米アップル(AAPL.O)などの顧客に電池の安全性を認めてもらおうと躍起だ。しかし発火問題による信用失墜の影響は深刻で、既存の顧客や株主はともかく、新規の顧客を説き伏せるのは難しそうだ。
サムスン電子傘下のSDIはテレビ、スマートフォン用ディスプレー、電池などを手掛け、サムスン電子の急成長で重要な役割を担ってきた。しかし今回の発火問題で新規の顧客獲得、電気自動車用電池や再生可能エネルギー貯蔵システムなどへの事業拡充で厳しい事態に直面している。
SDIはノート7の電池の主要なサプライヤーで、問題発覚後に株価が20%近く下落。第3・四半期の営業損益は赤字幅が前年同期の2倍強に膨らんだ。
一方、サムスン電子の株価にはこの間、大きな変化はなかった。20日に公表されたロイター/イプソスの調査によると、発火問題は米国での同社製品の購入意欲にほとんど影響を及ぼしていない。
SDIは、電池発火問題はノート7に限られていると説明。主な顧客について製品の信頼性を点検し、問題はなかったと報告した。また製品の安全性を担当する専門のチームも立ち上げた。
それでもアナリストは、SDIにとって影響は長引くとみている。東部証券のS・R・クォン氏は「既存の顧客よりも新規顧客への影響が大きいだろう。既存の顧客を納得させることはできるが、今回の問題は新たな顧客獲得にとってマイナスだ」と述べた。
SDIの自動車関連の顧客によると、ノート7の電池は電気自動車用電池と全く異なり、自動車関連業界には影響ないが、発火問題は「良い気分にはなれない」と話す。
調査会社B3によると、SDIは小型機器用電池市場で約25%のシェアを持つが、スマホ市場は既に拡大が鈍りつつある。だが電気自動車用電池部門が中国からの補助金獲得承認に失敗し、事業の多角化にも逆風が吹く。
SDIはサムスン電子とのつながりをてこに事業を拡大し、市場での信用を高め、アップルなどからの受注につなげてきた。今年上半期は売上高の3分の1近くをサムスン系列企業が占める。
サムスン電子にとっても、内製化された供給態勢は最新技術を投じてライバル社に打ち勝つ上で役立ってきた。
ただサムスン電子が他社追いかける立場から流行を生み出す側へと市場での立ち位置を変えつつある中、こうした内製化態勢で、高まりつつある技術能力面の制約に果たして対応していけるのかどうか怪しくなっている。
SDIの関係者は今回の問題について「非常に困っている」と打ち明けた上で「われわれの能力の問題だ。(製造における)すべての面をコントロールしていると思っていたが、抜け落ちている部分があったことが露わになった」と話した。
以上、ロイター記事
>SDIはノート7の電池の主要なサプライヤーで、問題発覚後に株価が20%近く下落。第3・四半期の営業損益は赤字幅が前年同期の2倍強に膨らんだ。
電池は、サムスンの子会社SDI という会社のようだ。
当会社は、携帯だけでなく、電気自動車の電池も扱っているようで信用をなくして赤字が膨らんでいる。
先行き厳しいでしょうね。