アナログ温度計とディジタル温度計には本質的な違いがあります。
(1)アナログ温度計による測定
赤い液の高さがどの目盛と一致しているかを人間が見て温度を測定します。
このとき温度計自体が温度の測定値を示していると錯覚している人がいます。
しかし、事実は違います。
温度の測定値は、次のような過程を経て人間の脳内部で決定されます。
温度計からの光が感覚受容器に入ります。
受容器に入った光は電気パルスに変換され視覚野に入ります。
神経回路網による情報処理により温度計の赤い液の高さがどの目盛と一致しているかが判定されます。
その結果が温度の測定値という情報として認識されるのです。
このように温度の測定値は脳内部で初めて生成されるのです。
(2)ディジタル温度計による測定
温度計内部の半導体装置により温度測定が実行されます。
測定値の情報が数値として液晶に表示されます。
このように温度の測定値はディジタル温度計内部で生成されるのです。
人間は、その数値を見て温度を認識するだけです。
古典物理学の時代には測定器の目盛を見て測定値を得ていました。
物理学者は、測定器自体が測定値を指示していると錯覚したのです。
物理学者は、脳の認知機能に関心がなかったからです。
測定値という情報が脳内部で生成されることに気付くはずはありません。
この傾向は近代の物理学者にも引き継がれて、量子論の観測問題の要因になったのです。
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