物理学では究極理論の構築に挑戦しています。
究極理論という言葉を聞くと宇宙の誕生から消滅までのすべての現象を説明するものだと思いがちです。
しかし、この理論では決して説明できない現象があります。
生命の誕生がそれです。
何故でしょうか?
究極理論の説明対象は、物理量で記述できるものに限ります。
しかも、物理法則は時間対称性を満たしています。
物理法則で説明できる現象は過去、現在、未来という時間の流れを区別しません。
アインシュタインは、過去、現在、未来という時間の流れは幻想であると言いました。
ところが、生命の進化は明らかに不可逆的です。
このことだけでも究極理論で生命を説明することは出来ません。
更に、生命は物理量だけで記述することが出来ません。
例えば、人間を物理量だけで記述できるでしょうか?!
クオリアや感情を物理量で記述できるでしょうか?
記述できないことは明らかです。
何故なら、クオリアや感情そのものを数字や言葉で記述することが出来ないからです。
従って、究極理論で説明できることは無機質な自然現象に限られるのです。
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