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ウォーク・ザ・ライン ―君につづく道ー

2006-03-04 15:38:32 | 外国映画
『 ウォーク・ザ・ライン ―君につづく道ー 』

 反抗的なスタイルで名をあげていたミュージシャンのジョニーは、ある日、シングルマザーとして強く生きるジューンと出会う。二人は幾多の壁にぶつかり、すれ違いを繰り返しながらも、友情を愛情へと昇華させていく。

 ここのところいい映画でも重いテーマの作品ばかり観てたので、久々に気持ちのいい感動を味わいました。
観終わってすぐに、まだ座席を立たないうちに「もう一度みたい!」と思ったのも久々かも?
去年観た 「ビヨンド・ザ・シー」 や 「Ray」 同様、主演のホアキン・フェニックスとリース・ウィザ-スプーンは、劇中の歌のシーンを吹き替えを使わず、全て自分達の声で歌ったと言う、その歌唱力と表現力と役者魂には惜しみない拍手を送りたい。

 この映画は、私達よりもうちょっと年配の団塊の世代の人達には堪らないものがあるのではないだろうか・・・?
劇中にも出てくるのだが、エルヴィス・プレスリーらと共にロカビリーの黄金時代を築き上げたと言うジョニー・キャッシュだが、残念ながら、私は名前すら知らなかった。

劇中流れる曲の数々も、かろうじてエルヴィスの曲を聴いたことがあるかもしれないかな?と言う程度で、ジェリー・リー・ルイスやボブ・ディランも出てきたけど、エルヴィスとボブ・ディランを知ってるくらいで、ジェリー・リ-・ルイスにいたってはジェリー・ルイスってテレビでショーをやってたコメディアンがいたけど、あれとは違う人なのかな?って思ったくらいで、当時を知ってる方々には大変申し訳ないほどの無知さ加減で観たにも関わらず、ぐいぐい引き込まれて行き、楽しむことができた。

 

エルヴィスやディランを演じた俳優さん達も、ちゃんと彼らと分かるような雰囲気を持ち、エルヴィスなんか似てると感じたほどだった。

最愛の兄を事故で失い、そのときに父親から浴びせられた言葉によりトラウマになってずっと引きずってしまう様や、たった1ヶ月の付き合いで運命の人と決めて、2年間の空軍在籍後結婚した妻との心の通わない生活での寂しさや、一緒に仕事をしツアーをするようになった、かつてはラジオから聴こえてくるその歌声が幼い頃の心の拠り所だったジューンへの満たされない届かぬ思いや、ふとしたきっかけで始めたドラッグに溺れてしまう様などがやるせないほどに伝わってきた。

また、10歳から舞台で育つ芸能一家の中で、姉より歌が下手だと言うコンプレックスを持ち、立派なクリスチャンである両親に対して恥かしいと避難されながらも、シングルマザーとして強く生きてゆき、母としてそしてひとりの女としての心の揺れ具合や、ジョニーに向ける惜しみない友情と温かい見守り、友情と言いながらも、その中に隠されている溢れんばかりの愛情には涙を誘うものがあった。

舞台の上での二人の視線の絡ませ合い、客席で観てる両親と妻子、「ヤバイでしょう?」「それはちょっとやり過ぎなんじゃないの?」「いくら仕事の上での共演と言ってもそれじゃごまかしは利かないでしょう?」と観ているこっちがハラハラしてしまうほどでした。

「グラディエーター」を観ていないので、ホアキン・フェニックスは知りませんでしたが、「キューティ・ブロンド」シリーズでコケティッシュな役を演じていたリース・ウィザースプーンのまったく違った役どろが新鮮な感じでした。

父親との確執が残ったままだと嫌だなぁ~・・・と思っていたけど、ラストシーンでは父親が孫達と遊ぶのに、ジョニーに意見を求めているところを観て安心しました。
ここのところ観た映画の中で、親による子どもへ対する分け隔てや、心無い言葉による暴力が多かっただけに、この映画もそうなのかと胸が痛かったから、ラストでの感動は大きかったです。

余談ですが、空軍の制服が「サンダーバード」の制服に見えました。(笑)


06/03/03 【 ◎・☆ 】
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