こちら鳥取県の境港市は、「水木しげる先生」の生誕の地です。
水木先生といえば、「ゲゲゲの鬼太郎」ですが、やはり妖怪といえば水木先生!と言うくらい妖怪をメジャーな存在にされた偉大な方と思います。
それを観光の材料として、水木しげるロードを作った境港市は山陰には珍しい進歩的な発想を現実化した所だと思います。
3月2日には水木しげる記念館の改装にちなんで水木ロードで妖怪パレードがあり、翌日の3月3日もこれまた水木しげる生誕祭の妖怪パレードがあるそうです。
今回製作の「一つ目小僧」は3日の妖怪パレードでお目見えする予定だそうです。
前日は以前に作った「見上げ入道」をかぶって練り歩くそうです。
こちらが「見上げ入道」です。
肝心な「一つ目小僧」ですが、今日、やっと完成しました。
いろいろ面倒なことばかりで大変でしたが、なんとか形になりました。
一番問題だったのが、「菅笠」です。
大きさが全く足りない。
山形の角度が急すぎるということで、笠の一部をカットして広げました。
そうすると山形の角度が緩やかになりましたが、扇型の隙間が空くので、そこを紙で繋ぎました。
紙はカレンダーの紙を使いました。
車のカレンダーですが、いい紙を使っているので型紙に使ったり製作物の心材としても重宝します。
笠自体の大きさも小さかったので、竹ヒゴで延長し、わらを発泡スチロール用の接着剤で一本づつ接着して大きくして行きました。
大まかに「わら」を貼り付けて、その隙間をハサミでくさび型にカットした「わら」を接着します。
隙間に合わせて根気よく接着します。
隙間が狭くなると短い「わら」を途中から貼り付けたり、「わら」全体が放射状に並ぶように接着してゆくと綺麗に並んで見えます。
ここまでするのに結構四苦八苦しました。
このままでは強度が心配なので丸く輪っかにした竹ヒゴを裏と表にはりがねで縛り付け補強しました。
この後、縁部分に紙を貼り付け「わら」がバラバラにならないように固定します。
これが乾燥するまでに「豆腐」も作らなければなりません。
豆腐を持っている妖怪は「豆腐小僧」というキャラクターもいますが、ほぼ同じ感じです。
丸い木製のお盆に豆腐を乗せて持っています。
その豆腐を、長い舌でペロっと舐めています。
この豆腐はスタイロフォームから削りだして粘土仕上げですが、舌をどうするか?
これは「発泡ウレタン」を使いました。
この素材は、看板などで使う立体文字を作る素材で車のシートの中身と同じものです。
ちょっと硬めのスポンジのようなもので、カッターで切り出して80番くらいの荒いサンドペーパーで削り、形状を整えます。
柔らかくてぐにゃぐにゃ曲がります。
ちなみに、この写真の目の部分ですが、アクリルの半球から切り出してはめ込んでいます。
豆腐も、
木製のお盆に乗せて、こんな感じです。
この豆腐はきぬごし?木綿とうふ?どちらかわからなかったので、木綿とうふに勝手にしました。
粘土を盛って布目をつけて、側面には「巣」を作りました。
この後、顔部分を磨き、肌色に塗り、エアーブラシで陰影をつけます。
豆腐も白に塗り、ちょっと濡れた感じにしました。
舌が色合い的に難しかったのですが、あまり健康な感じだと妖怪っぽくないし、ちょっと不健康そうな色合いに仕上げました。
菅笠も裏面に紙を貼り、補強してアクリル絵の具で古びた色合いに汚しました。
一番気になったのが、大きな一つ目からかぶっている人の目が見えるか?というものですが、明るいところではちょっと瞬きが見えるようですが、ほとんど気にならない程度です。
透明なアクリルの目の裏に、スモークブラウンの塩ビ板を丸く切って接着してあります。
視界は十分あり、口の部分から呼吸もでき、息苦しさはありませんが、自分の呼吸音がよく聞こえます。
それに、笠の重さが意外とあり、去年の「油すまし」くらいの重量があるのが意外です。
顔はなるべく小さく作ったのですが、菅笠が意外なほど大きい!
狭いところを通ると、菅笠がやたらとぶつかります。
気をつけてかぶらないと!
明日、29日に発注主さまに納品します。
一度かぶってもらっているので、大きさ的には問題ないし、視野も大丈夫でした。
大きな一つ目から周りが意外なほど良く見えます。
とりあえず、明日納品したら完成写真をアップします。