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チラシの裏

薔薇の荘園

2013年02月01日 | ファンタジイ
トマス・バーネット・スワンの「薔薇の荘園」には3つの中篇が収録されているんですが、
はるか昔に読んだきりだったので、表題作「薔薇の荘園」を再読。
こんな話だったのか。

いま読むと若い頃に読んだきりでは分からなかったことが見えてくる気がします。
登場人物の少年2人と少女1人、少年2人はいまでいうところのBLですね。
少女のほうがゴスロリ。
低俗な書き方ですみませんが。

13世紀のイギリスの田舎を舞台に魔術的生物のマンドラゴラを配し、
ファンタジックな物語になるかと思いきや、少年少女たちは意外に生臭い。
他の脇役たちもけっこうドロドロです。
その分、語り手の女性(薔薇の荘園の主)が清廉な未亡人に思えるのですが…。
ラストにはちょいとヒネリが加わってます。
少年のうち早熟で身分の低い方がサクセン人、身分が上でひ弱なほうがノルマン人
(作者の視点はこの少年にある)という設定になってます。

著者のスワンは47歳の若さで病死しています。
薔薇の荘園だけ読んだ感想でいえば、けっこう耽美主義者だったのかも。
「JUNE」(※中島梓の「小説道場」は面白かったなあ)とか
「月光」(※まつざきあけみ「ぼくらは青年探偵団」に大爆笑、
連載は「アラン」だったかな?)とかいう雑誌にぴったりな感じが。




すみません、お耽美なスワンの話題がBL○モ系の話になっちゃいました。
萩尾先生の表紙は大のお気に入りです。

ところで翻訳をしている風見潤は翻訳家としてはビッグネームですが、
ティーン小説も書いていたんですね。
(たしかH系小説の翻訳もやってたような)。
「SFミステリ傑作選」というアンソロジーも編んでいるので、その話は次回。
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