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江戸川乱歩座談

2024年10月02日 | ミステリ
乱歩の随筆やエッセイ本には、こういった座談会や対談は入っていなかったので、
こうやってまとめてもらうと非常にありがたい。
戦前の座談会では、あまり乱歩は語っていないかわりに甲賀三郎、海野十三、木々高太郎のほうが饒舌。
戦後になると宝石の編集になったせいもあるからか、積極的にゲストへ語りかけていく姿が記されています。
個人的には戦前の「探偵小説の定義」にかんする座談会よりも、戦後の宝石のための対談のほうが面白かったですね。
幸田文の江戸前な口調、戦前の文人らしいたたずまいを見せる佐藤春夫とか、
乱歩自身が文化の結節点となってさまざまな人間が交差する面白さを教えてくれます。
出席者たちがみな「樽」がおもしろいと発言しているのが意外。
大昔に束の厚さにおそれをなして放置しておいたけれど、再挑戦してみようかな。
ところで春陽文庫から、横溝正史「死仮面」、甲賀三郎「盲目の目撃者」が出ましたが、装画が横尾忠則。
これ、同じ作者の別作品も同じ装丁にするんでしょうか。装画で区別できなくなってしまう。それとも、これで打ち止めか?
あと今月末(24年10月末)に、都筑道夫の「魔海風雲録」が同文庫で出るんですね。
むかし中公文庫で出ていたけど、出すのなら「神州魔法陣」のほうが面白いと思うけどなあ。
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