永遠の嘘 その1
節目の選挙も終わり、一気に時雨(?)のような小雨の降る当地。終わってホッとはしましたが、...
世は定めなき 最終章
木村真斗の話は続く。1995年1月16日、俺は仁川駅近くにある相田のワンルームマンションに行っ...
世は定めなき その5
いつしか辺りは夜の闇に包まれてきた。濃い青紫のビロードのような空はひどくロマンチックに見えた。二人の他に誰もいない海辺である。こんなシチュエーションは二度とない...
世は定めなき その4
シンガポールに着いて二日目、呆気ない程早く真緒は浩樹に会えた。中国人街でウロウロしてる...
世は定めなき その3
その後の真緒がこの長期有給(病欠にならなかったのは会社の温情である)を使い、せっせと貯めた銀行預金を使って、単身向かったのはシンガポールだった。シンガポールに留まっているかどうか分...
世は定めなき その2
真緒が、業界では大手のS食品に入った年、そして父親が謎の死を遂げた年、1998年春に同期で入社したのが浩樹だった。S食品は元々菓子製造メーカーだった。実家の為という名目だったが、真...
世は定めなき その1
(松尾芭蕉 笈の小文より)「空定めなき 身は風葉(ふうよう)の行方なき」旅に生きた芭蕉は『奥の細道』だけでなく、数多くの俳諧紀行文を残しました。『笈の小文』もそのひとつ。江戸から尾...
新宿らんぶる 最終章
卓也からの電話はこの秋、一週間前にあった。心待ちにしていた訳では無いが、美波の心は浮き立った。これは一応気になる男から誘ったデートなんだから...
新宿らんぶる その3
冴木夫妻がその後どうなったか美波は知らない。何故なら、彼女は冴木の妻が怒鳴り込んだ翌日事務所に辞表を出して即受理されたからである。依願退職という形であるが、所長は特別にその後1か月...
新宿らんぶる その2
「確かに、妻は不貞を働きはしてない、暴力的振る舞いもしてない、浪費癖もない。しかし非常に猜疑心が強い女だ。私の不倫を疑って馬鹿げた工作をしたのですよ!忙しさに紛れて日頃ほったらかし...