徒然なるまままに

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日本・東洋 美のたからばこ ー和泉市久保惣記念美術館の名品 @渋谷区松涛美術館

2019-11-09 | 美術
日本・東洋 美のたからばこ
和泉市久保惣記念美術館の名品@渋谷区松涛美術館

久保惣記念美術館は国宝2点重文31点を誇るが、そのうち国宝2点重文25点を含む名品を前期・後期に分けて展示した展覧会。
久保惣コレクションが他館でまとまって紹介されるのは実に37年ぶりとのこと。
後期に気が付き、駆け込んだ。前期の十王経図巻、駒競行幸絵巻、伊勢物語絵巻 などを見逃したのは残念。
それでも、山王霊験記絵巻は上下巻、中国絵画の鍾馗図、紅蓮鴛鴦図も素晴らしい作品。
素晴らしかったのは工芸品。
青磁 鳳凰耳花生 銘「万声」、黄瀬戸 立鼓花入 銘「旅枕」は、初見ではないので、やはり風格がある。
他の工芸品も優品が並び、楼閣山水二十四孝図六稜形盒の細工の細かさや堆朱、朱漆 薬壺と葵花形天目台の色合いには、ほれぼれとしてしまった。
国宝 歌仙歌合は、美しい料紙と書で、以前出光で鑑賞した時の感動が蘇った。解説を読むと30歌仙130首を書写した36歌仙成立前の歌合せとあった。最近36歌仙について調べていて確かにそのような記述があり、これがその写本かと、感慨深かった。

11月24日まで。おすすめ。
以下、後期の作品の一部




重文 布袋図 惟馨周徳 筆 千林宗桂 讃;原三渓旧蔵
重文 山王霊験記絵巻 (上巻) 室町(14世紀)
重文 山王霊験記絵巻 (下巻) 室町(14世紀)
重文 源氏物語手鑑 (幻) 土佐光吉 江戸(慶長17/1612)
白描源氏物語絵巻「竹河」 室町末~江戸初期(16~17世紀)
重文 鍾馗図 元(14世紀)
紅蓮鴛鴦図 元(14世紀)

風俗四季歌仙 水無月 鈴木春信

重文 響銅 水瓶 奈良(8世紀)
青銅 軍持(布薩形) 南北朝(14世紀)
重文 青銅 蓬萊図方鏡 室町(15~16世紀)
重文 青銅 梅樹檜垣飛鳥文鏡 鎌倉(13~14世紀)

尻張釜 辻 与次郎 桃山(16世紀)
備前 矢筈口水指 桃山(16~17世紀) 陶器
唐津 茶碗 銘「三宝」 桃山(16世紀);唐津茶碗のなかで、李朝陶技の影響が強い初期のものは奥高麗茶碗

黒樂 筒茶碗 銘「初霜」 長次郎 桃山(16世紀)
玳玻天目 花鳥文碗 南宋(12~13世紀)
備前 肩衝茶入 銘「今布袋」 桃山(16~17世紀)
色絵 椿文中次 野々村仁清 江戸(17世紀)
織部 香合 江戸(17世紀)

重文 黄瀬戸 立鼓花入 銘「旅枕」 桃山(16世紀)
 内箱の墨書「セとの里うご花入」を坂本周斎(1666〜1749)や千家の一燈(1719〜1771)が利休筆として外箱に書きとどめている。
白釉 碗 北宋(11~12世紀)
青白磁刻花 唐草文水注 南宋(12~13世紀)
青白磁 六花形盤 南宋(12~13世紀)
国宝 青磁 鳳凰耳花生 銘「万声」 南宋(12~13世紀)

茶葉末 瓶 清(18世紀)
螺鈿 楼閣山水二十四孝図六稜形盒 明(16~17世紀)
状態もよく素晴らしい螺鈿の盒

堆朱 布袋図香合 明(14~17世紀)
堆朱 柳下釣人図香合 明(14~17世紀)

朱漆 薬壺 室町~桃山(16~17世紀)
朱漆 葵花形天目台 室町(15~16世紀)
蒔絵 桜鐘提燈文大鼓胴 桃山~江戸(16~17世紀)
蒔絵 秋草文棗 江戸(19世紀)
名物裂集古鑑 江戸(文化10/1813)

国宝 歌仙歌合 平安(11世紀);30人の歌仙の130首
古今和歌集巻第一 断簡(右衛門切)
重文 熊野懐紙 藤原範光
重文 法語 円爾 鎌倉(13世紀)
和歌 和泉国新家という所にて 契沖 江戸(17世紀)
書状 千利休 桃山(16世紀)
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