コラム(39):潘基文氏は国連事務総長に不適格
国連事務総長、潘基文氏の政治的中立性を疑問視する
国連の事務総長が果たすもっとも重要な役割は調整機能と言われています【※1】。
【※1】事務総長の独立性、公平さと誠実性をもって、国際紛争が発生、拡大を防ぐため公的、または私的にとる措置。
ところが、現事務総長の潘基文(パン・ギムン)氏は歴代事務総長と異なり、政治的中立性を軽視し、母国の韓国の立場や中国におもねる言動に終始しています。
5月にロシアで開催された対独戦勝70周年記念式典に出席し、9月には中国で開催される抗日戦争勝利70年記念式典に出席すると表明しました。ロシアも中国も、周辺諸国との係争の最中での訪問は、公平性や政治的配慮に欠ける行動と言わざるを得ません。
縁故主義
潘氏の韓国への配慮は尋常ではありません。国連の主要なポストに韓国人を起用したり、事務局の韓国人職員を急に増やしたり(25%増)したため、国連職員組合から縁故主義だと批判される事態になっています。
また、事務総長就任後の訪韓の際には、「韓国人の国連事務総長として韓国の国力伸張に貢献できるようベストを尽くす」と述べています。さらに、国連の日のコンサートには韓国のソウル・フィルハーモニー・オーケストラに公演させ、その際に、日本海を「東海」と表記したパンフレットの配布を黙認しています。
疑問視される仕事能力
2013年8月に潘氏は、日本に対して「歴史を顧みることが必要」と注文をつけています。しかし、国家間の対立に、国連事務総長が一方の側だけに加担することは許されません。事務総長の立場を逸脱することになります。
潘氏に対する国際社会からの評価は辛辣なものが多く、米ニューヨークタイムズ紙は「国連史における最悪の事務総長」とシリア内戦などの対応を酷評しています。また、ニューズウィークは、「核問題や難民問題に関心を示さず、貴重な機会を無駄にしている」と評しています。
さらに、ノルウェー国連大使からの公然たる批判、ユダヤ人団体からの批判、国連内部監査部からの抗議文書の送付など、さまざまなところから事務総長としての仕事能力に疑問符がつけられています。
アメリカの潘氏評
アメリカは潘氏をどう評価しているのか、米韓両方の事情に通じている識者に伺いました。
パン事務総長に対してはホワイトハウスでも評判が悪く不快感を持っていますが、
彼がいたところで何かを決定できる能力があるわけではないので、
アメリカはまったく影響がなく、任期が終わるまで放っておくつもりです。
ただし、パン事務総長は適任ではないとして再任はしないようです。
これはアメリカ独自の判断で決めるようです。つまり他国の要請などなくても、別の人物を選ぶようです。
パン事務総長は、そのつもりは無いと言いながら次の韓国大統領になりたがっています。
ロシアや中国に行く意味は、大統領への布石のつもりのようです。
韓国には大統領の人材がいないので、その気になれば簡単になれると思っています。
気の毒なのは韓国の国民です。仕事能力が無いので国内政治は無理です。
本人は事務総長をしていたので外交能力はあると思っていますが、
各国の首脳たちは国連での無能ぶりを知っているので相手にしません。
韓国民が彼を大統領にすると韓国の夜明けが遠のくだけになってしまうようです。
国連事務総長には人格者を
潘氏は2007年1月に就任し、現在2期目で任期は2016年12月末日までです。各国からの批判の多い藩氏が任期終了まで事務総長を続けられるかは疑問です。
かつての事務総長であったウ・タント氏【※2】やコフィー・アナン氏【※3】などは人種や国籍、肌の色を超え、世界の紛争解決の調停に命をかけて取り組みました。
【※2】ビルマ出身。第3代事務総長。コンゴ動乱への積極介入、キューバ危機や第三次中東戦争などへの対処、国連開発計画や国連大学の創設決定、宇宙船地球号を掲げたアースデーの制定、国連人間環境会議の開催決定や国連環境計画 (UNEP) 設立に貢献。
【※3】ガーナ出身。第7代事務総長。国連職員から選出された最初の事務総長でノーベル平和賞受賞者。1997年の演説:「今の私達にとっての敵は無関心、すなわち、世界はたくさんあり、自分たちの世界だけに関心を持てばよいのだとする考えである。この考えは誤っている...。世界は一つ、人類も一つである。そして真の衡平で永続的な人間の安全は、不可分のものである。」
彼らの力の根底にあったのは、事務総長の立場や潤沢な資金力ではなく、高潔な人格だけでした。彼らの人格の力が紛争当事者の心を動かし、解決に導いたのです。
国連加盟諸国は自分や自国の利得のために動く事務総長を必要としていないのです。
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