すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。
topics(585): 「アベガー」って言えるのも今の内
安倍元総理の「国葬儀【※1】」に対して、中国の意向を受けたメディアや野党議員、そして有象無象の連中があの手この手を使って「国葬」の中止を叫んでいます。
【※1】国葬儀:「内閣府設置法」という法律のなかに「国の儀式ができる」と定められており、今回、「国の儀式」の一つとて行われる。それゆえ、「国葬」ではなく、「国葬儀」と呼んで整理している。
最初、中国の機関紙・朝日新聞などは、カルト宗教の統一教会と安倍元総理が親密な関係があるとして「国葬にふさわしくない」に誘導しようとしたようですが、「統一教会と自民党の癒着」があまりにも大きな問題となり、どんどん違う方向に話が進むものですから、この問題で国葬反対に結び付けるのは難しくなったようです。
次は、メディアを総動員して、全社横並びで「世論は国葬に反対している」という世論調査結果を発表させました。ただし、世論調査は、デスクのさじ加減で少なくとも20ポイントは動かします。
したがって、「政府の施策に賛成する」にプラス20ポイント、「政府の施策反対する」にマイナス20ポイントを調整して判断しなければなりません。また、各社の数字が近似値となるのは、本来まちまちに出ている数字を各社間で調整していることが原因です。世論調査とは世論「操作」が目的なのです。いまや世論調査の信頼性は失われています。
現在は、国会前で国葬反対集会を開いたり、国民を名乗ったことのない市民団体(共産党)や政治学者に「国葬の差し止めを求める訴訟」を起こさせて門前払いを食らったり、署名活動をして「これだけの数を集めたから国葬止めよ」と言っているようです。
ネット上では、少ない人数ですので発言がどんどん過激になっていくようで、
納税したことのない人たちの「国葬に私たちの税金を使うな」にはじまり、
「日本がおかしくなったのは安倍さんが2度目の総理になってから」、
「(安倍夫人に)国葬を辞退しろ」などの心ないツイートを書き込み、
蓮舫&辻󠄀元議員のように「国葬を欠席します」などという故人や親族に対する非礼な振る舞いがたえることはありません。しかし、同じメンバーがツィート、リツィートするばかりですから広がりはないようで、一定数の人数でとどまっています。
この現状では世論が喚起できないと見て、週刊誌まで動員して
“安倍「国葬大失敗」で岸田総理がヤケクソ…!この秋、イチかバチかの「電撃解散・総選挙」へ(週刊現代)”、
“連総会と日程丸被りで海外要人から総スカン…岸田首相「国葬」の大誤算(女性自身)”
などの記事で追い打ちをかけようとしていますが、いまのご時世、週刊誌なんか今は誰も読まないでしょう。あの手、この手でアベガーと言いたいところですが、どこまで効果があるのか甚だ疑問です。
一方、朝日新聞系列のテレ朝は意外に巧妙な作戦を展開しています。エリザベス女王の崩御を熱心に取り上げ、エリザベス女王がいかに素晴らしい人であったか、国民に慕われて国葬が素晴らしいものになるだろうと持ち上げています。
これに異論はありませんが、同時に、視聴者に対しては、暗に、「安倍元総理の国葬儀とは格式が違うよ」と、いわずもがなで、女王上げ、安倍下げを行っています。テレ朝の全番組にその意図が透けて見えますので是非ご覧になってください。
ただ、テレ朝の女王上げは、テレ朝の支配者ともいうべき習近平氏を激怒させるものであることをお忘れなく。なぜなら、習近平氏が英国訪問の折、女王陛下は手袋をして習氏と握手しました。また、晩餐会では習氏のスピーチに当時のチャールズ皇太子は拍手しませんでした。
習氏にとってイギリスは恥をかかせた国。安倍下げのために女王を持ちあげたとしても、それを知った習氏にゴマをする中国要人からテレ朝がどんなお仕置きが待ち受けているか、お楽しみといったところでしょうか。
いろいろ、アベガーの皆さんも安倍下げに必死ですが、それができるのも国葬儀の9月27日までです。それ以降は、安倍元総理は歴史上の人物となっていますので、安倍下げをしても意味がなくなります。
それまでは、せいぜい気張って頑張ってください。そして、国葬儀以降は、攻撃の対象を失い意気消沈することでしょう。そのとき、アベガーのみなさんは、実は安倍元総理のおかげで生きがいを見出していたことがわかるでしょう。つまり、アベガーの皆さんは安倍元総理のおかげで生きてこられたということを、しみじみと感じていただきたいと思います。
そして、あなたたちが騒ぐから、なお一層、安倍元総理の功績が輝いたことをお忘れなく。逆説的にいえば、まさにアンチこそ、安倍元総理の熱烈な支援者だったと言えるのですから。
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コラム(462):日中友好の黒歴史
――日中国交樹立とは何だったのか②
焦って国交を樹立した理由
日中国交樹立の背景は、米中の電撃的な接近に日本が慌てふためいたことからはじまります。1971年、ニクソン米大統領の特使キッシンジャーが秘密裏にパキスタン経由で北京入りし、当時の周恩来首相と会談。早い時期にニクソン大統領の訪中することが話し合われました。これが発表されるとニクソン・ショックと言われるほど全世界に衝撃が走りましたが、なかでも頭越しされた日本は周章狼狽し、メディアは「バスに乗り遅れるな」と一斉に騒ぎ立て、日本政府に中華人民共和国との国交の樹立を急がせました。
しかし、日本にとって中華人民共和国は、当時「中共【※2】」と呼ぶ存在にすぎず、文化大革命の混乱の最中にあったことと、長年親しい交流のあった中華民国=台湾を切り捨てなければならない問題があり、政府与党内でも反対の意見の方が大きい情勢でした。
【※2】国交樹立のころに、1950年代の映画『ゴジラ』をテレビで見たことがある。その中に「中共が攻めてくる」というセリフがあったのを今でもよく覚えている。1970年代くらいまでは、国際社会の中国に対する認識は、「共産主義で文明に逆行する野蛮な国家」だった。
アメリカは、米ソ冷戦の最中で、敵対するソ連とその弟分の中共が仲たがいをし始めたのを見て「敵の敵は味方(ソ連という敵に敵対し始めた中共は味方となりうる)」という戦略目的のもとに手を結んだわけで、日本のように何も考えず慌てて手を組もうとしたのではありません。
事実、米国は中華民国を一方的に切り捨てることなく「台湾関係法」を整備し、時間をかけて中華人民共和国と国交を結びました。実際、米中間の正式な国交樹立は1979年の1月です。日本の国交樹立から7年後、日中平和条約から半年後のことです。アメリカに軽率さはありません。
国交樹立は中国の利益のためだけにあった
用意周到なアメリカと比べて日本はいかにも拙速でした。中国が「日本に対する戦争賠償の請求を放棄する」と宣言したのはいいものの、裏では、戦争賠償の代わりに対中政府開発援助(ODA)を約束することになりました。
2022年3月末日の終了まで、その総額は(円借款も含む)計3兆6千億円余りになります。この資金が中国を大国にまで押し上げ、さらには、日本に対する軍事的脅威をも生み出した元凶となっています。しかも、このODAは自民党旧田中派の金城湯池の利権ともなっていました。
さらにもう一つの重大な失敗は、尖閣諸島問題を棚上げにしたことです。1972年の田中―周恩来会談では、周恩来の「尖閣諸島問題については、今回は話したくない。今、これを話すのはよくない。石油が出るから、これが問題になった。石油が出なければ、台湾も米国も問題にしない」と言う言葉に騙されてしまいました。
1978年の平和条約締結時には、鄧小平の「中国では釣魚台、日本では尖閣諸島と呼んでいる問題がある。こういうことは、今回のような会談の席上に持ち出さなくてもよい問題である(中略)。われわれの世代では知恵が足りなくて解決できないかもしれないが、次の世代は、われわれよりももっと知恵があり、この問題を解決できるだろう。この問題は大局から見ることが必要だ。」と言う言葉にまた騙されてしまいました。中国の本音を見抜けなかった外務省の落ち度です。
もう一つ、お人よしの日本が国際社会から中国が孤立する中国を助けてしまった事件がありました。1989年6月4日の六四天安門事件です。
これは、人民解放軍が一般市民を銃撃し多数の犠牲者(数万人が殺されたとする説あり)が出るという痛ましい事件でした。国際社会は人権弾圧著しい中国に対する反発を募らせ、強い制裁を科す国際問題へと発展しました。また、その事件直後に、日本人外交官が住むアパートがあ人民解放軍によってハチの巣にされるほどの銃撃を受ける事件が発生しましたが、それでも日本政府は何もしませんでした、
一方、なんとしても制裁逃れをしたい中国政府は、日本政府に天皇皇后両陛下の訪中を強くせまりました。両陛下のご訪中以降、西側の制裁は解除されましたので、中国政府の狙いは思惑通り達成されてたと言えます。
六四天安門事件直後か政治的指導者の立場になったのが悪名高い江沢民です。96歳にしていまも上海閥に君臨しているようですが、父親が日本軍の協力者だったと言われるのを防ぐため、歴代の指導者の中では最も激しい反日政策を展開したことで有名な人物です。おそらくは出自上の問題の隠ぺい化のために、強固な反日を推進したのだと思います。また、日本のODA資金を使って反日施設を次々と作り、青少年を重点対象にして徹底した反日教育を行い、反日デモを至るところで起こすよう指令を出していました。しかし、それに対して日本政府は何もいいませんでした。
余談ですが、お笑い芸人の“みやぞん”がアルバイト時代、工場長の中国人にゴマをするため「誰が好きですか」と問うたところ、「こうだくみ」との回答が・・・。金をためて倖田來未のCDを渡したところ、怒って投げ返されたとか。中国人の工場長が好きだったのは「コウタクミン=江沢民」だったと・・・。
日中友好とはまさに中国の利益のためにあったということがわかります。
(つづく)
次回は、最終回として「日中友好は日本に害悪しかもたらさなかった」として、
「国交樹立の節目の年に事件が発生する」、「マルクス崩れの人間が依拠する中国」を論じます。
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