米国金利と米国株の動向 :230308情報
ラーメン一杯:3,000円、たばこ一箱:1,500円、ビール一杯:2,000円、サンドイッチ一個:2,400円。消費者の多くが賞味期限切れの食品を購入。1ドルショップで缶詰を買い漁る人たちも。
これは、物価高に苦しむ現在のアメリカの様子です。
2月28日付のロイタでは、米連邦準備理事会(FRB【※1】)が政策金利を6%近くまで引き上げる可能性があり、インフレとの戦いが長期化せざるをえないという見方を報じています。
【※1】FRB:FRBとは、米連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board)の略称で、米国の中央銀行にあたります。FRBは金融政策の実施を通して、米国の雇用の最大化、物価の安定化、適切な長期金利水準の維持を実現し、その結果として米国経済を活性化することを目標としています。日本でいうと、日本銀行のような役割を果たす機関で、FRBは日本銀行と同じように、独立した政府機関であると同時に、国民と議会に対して説明責任を負っています。
FRBの動向は世界中で注目されています。それは、米国経済が世界経済の中心的存在であり、その米国経済を大きく動かすのがFRBであるからです。FRBが実施する金融政策はもちろん、アメリカの金融政策を決定するFRBの会合であるFOMC(Federal Open Market Committee(米連邦公開市場委員会))で話し合われた内容やFRB議長の発言は、世界経済を動かすことがあるほど、大きな力を持っています。
この一連の動向について、経済の専門家は次のように語ります。
アメリカの金利が、かなり長い間、高くなってしまうだろうということです。これについては、市場の方もかなり楽観論が出ていましたが、「FRBの悲観論の方が正しいよね」、という事で大体意見が一致してきました。
これは繰り返し申し上げてきましたが、FRBの方としては、インフレを抑えるためにかなりタカ派的な姿勢をとって、厳しくやるんだということをパウエルFRB議長も何回も言っています。
そして公開される議事録を見てもいわゆるタカ派的な意見が多いです。インフレをがっちりと制圧しなければいけない、そのためには、景気が悪くなっても仕方ないんだという考え方ですね。
しかし、市場の方はお金もあって株を上げたいものですから、もうそろそろインフレも打ち止めでしょうと。今年中には金利も天井を打って、そして9月のFOMC【※2】あたりから金利を下げてくれるのではないか、という楽観論が広まっていました。
【※2】:FOMCとは、Federal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)の略で、米国の金融政策を決定する会合のことです。日本では、「日銀金融政策決定会合」で金融政策を決定していますが、それに当たるものがFOMCです。FOMCは年に8回開催され、現在の景況判断と政策金利(FF金利)の上げ下げなどの方針が発表されます。その結果が市場の予想とは違った場合には、株式市場や為替レートが大きく変動することがあり、世界の金融マーケットにも大きな影響を及ぼします。
そしてまた、FRBが厳しい態度を取ると、そうでもなかったなと言って、一瞬シュンとなるんですが、いやいや、やはり先は明るいぞと言って楽観論の方に市場が傾いてしまう。このジグザグを繰り返してきました。
ですが、2月も0.25%の利上げを行なったということ。そして、アメリカの景気が非常に力強く、物価上昇圧力が一向に下がっていないという記録が次々に出てきたこと。この辺りを見て、これはもうFRBがやはり正しいよねということで、市場の方がその辺を織り込んできたということですね。
当然、株価はしばらく低迷するのではないかと思います。
2月22日には、1月31日から2月1日にあったFOMCの議事録が公開されまして、すべての参加者が、政策金利の継続的な引き上げを支持しました。なので、「今年中の利下げはないよね」という意見が多くなってきたということです。
そうすると、金利の先物市場の動きなんかを見ると、次のFOMCでは、「やはり0.25%は確実に上げるよね」と。あるいは、場合によっては、インフレが収まらないと、0.50%上げることもあり得るということがだんだん織り込まれてきました。
また、政策金利の天井も、5%台半ばまで行くだろうという意見が、2月22日の時点では、7割を超えていたということですね。ですから、前から申し上げていることですが、意外にアメリカのインフレは根強く、それをきっちり抑制していくというFRBの姿勢に狂いはない、そして、市場もそれを認め始めたということです。
そうすると、株はこの3ヶ月、4ヶ月はかなり厳しい局面になると思いますので、覚悟しておかなければいけません。
しかし、前から申し上げているように、アメリカの優良株を買うには、この株価の低迷はむしろ、チャンスであると思っています。
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