赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

クレディ・スイス買収の世界的影響?

2023-03-30 00:00:00 | 政治見解




クレディ・スイス買収の世界的影響? :230330情報

クレディ・スイスは、スイスのチューリッヒに本社を置き、投資銀行業務、プライベートバンキング、資産運用、シェアードサービスなどのサービスを提供する世界9大「バルジ・ブラケット」バンクの1つです。

長年、経営不安が続いていましたが、米シリコンバレーバンク(SVB)破綻の余波で、一気にその不安が膨らみました。筆頭株主のサウジ・ナショナル・バンクが、追加出資の予定がないことを明らかにしてからというもの、信用不安に火がつき、株価は過去最安値を更新しました。

これを受けて、スイスの金融当局の関与のもと、クレディ・スイスは同じスイスの金融最大手「UBS」による買収という形で救済されることが決まりましたが、これに伴って、FINMA=スイス金融市場監督機構は次のような声明を発表しました。

「スイス政府の特別支援により、160億スイスフラン(日本円で2兆2000億円)に上るクレディ・スイスの『AT1債』【※1】のすべての価値が完全に償却され、これによって中核的資本が増加することになる」。「すべての価値が完全に償却される」というのは無価値となるということです。

【※1】「AT1債=Additional Tier1債」は、金融機関が発行する特殊な社債。2008年のリーマン・ショックを教訓に世界的な金融危機を防ぐため新たな国際規制「バーゼル3」が策定されたことに伴い、「その他Tier1」という自己資本の基礎的な項目として認められるようになった。

「AT1債」は、通常の社債や劣後債と比べて金利が高い一方で、自己資本が減少した際には、元本が削減されたり、強制的に株式に転換されたりするリスクがある。つまり、預金者に影響が出ないようこの社債を買った投資家が損失を吸収する形となっている。


この問題に対し、国際経済の専門家は以下のような見解を述べています。



3/19、クレディ・スイスが買収されることが決まりました。これは、スイス政府、中央銀行が動いて、ユニオンバンク・オブ・スイッチャ(UBS)が買収することになりました。これで、クレディ・スイスの信用不安取り付け騒ぎは無くなりましたが、これによって多くの損を被る人もたくさん出てきているようです。

スイスの場合、大手の銀行はUBSとクレディ・スイスの、2大銀行でした。

UBS自身は、債務も押し付けられるので買収したくなかったと思いますが、スイス政府としても助けざるを得ない。国際的に金融恐慌のようなことを発生させてはいけないですし、銀行業は、伝統的なスイスを成り立たせている一つの道ですから、これを潰してしまうことは何としても避けたいということで、UBSが吸収合併することに決まったのです。

これで、世界的な金融恐慌などにつながることはなくなりました。

それよりも、この問題の本質はタックスヘイブン問題の大掃除の一環だと思います。クレディ・スイスにあった口座が調べられて、出てくるものと言えば、英国王室属領やバイデンの地元デラウェア州で登録してある、正体不明の法人団体。

これまで欧米の身元不明な法人透明化ルールから逃げていた人たちも、クレディ・スイスにある口座が調べられることで捕まり、その問題が、いよいよ白日の元に晒される。そのための大きな一歩だと思います。

そういった意味で、世界中にある汚いタックスヘイブンの大掃除の1つが、これでほぼかたが付いた。そういう問題なのだと私は理解しています。



  FBは https://www.facebook.com/akaminekazsize:16px;">:230329情報