赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

真相(39) 日本が民主党政権だったら国が滅んでいた(2)

2015-07-13 00:00:00 | 政治見解



赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』(39)

日本が民主党政権だったら国が滅んでいた(2)


1.外交関係

①日米関係(記述済み)
②日中関係


1)民主党政権下での出来事

民主党政権は露骨なまでの中国傾斜路線でした。小沢一郎幹事長を団長とする民主党国会議員143名の訪中団や、中国利権を持つ伊藤忠前相談役の丹羽宇一郎氏の中国大使任命など、朝貢外交を繰り広げました

中国にとっては思いのままでした。たとえば、尖閣諸島海域で海上保安庁の船に漁船を激突させた事件のあとも、日本の弱腰につけ込み、何度も中国公船を尖閣諸島周辺海域に航行させました。

また、2012年8月、中国では凄まじい反日デモが繰り広げられました【※1】が、これは中国政府による日本揺さぶりのための官製デモです。しかし、これに対し当時の野田政権は有効な手を打てず、中国在住の日本企業や日本人を見捨てる結果になりました。

【※1】日系企業の工場や日系自動車会社の販売店などは徹底的に破壊された後に放火され、事後の操業が困難となった。

また、民主党政権下では防衛機密が中国に大量に流出していたことが指摘されています。幸い肝心な情報については防衛庁幹部の判断で流出が食い止められたようです。



2)安倍政権下での対応

第二次安倍政権が発足してから中国関連の対応は大きく四点あげられると思います。

第一は2013年12月の靖国神社参拝です。参拝は民主党政権とは違うことを行動で示したことになりました。中国の非難を毅然たる態度で跳ね返したのです。以降、中国は靖国問題を「外交カード」として使えなくなりました。

第二は、アジア安全保障会議などの諸会合で中国の覇権主義を強く牽制したことです。法の支配を求める演説以降、中国に対し国際社会は厳然とした態度になりました。また、これを契機に巡視船の供与を含めASEAN諸国へのサポートも始まっています。

第三に、中国公船の領海侵犯が頻発する尖閣諸島への防衛強化を図っています。海上保安庁大型巡視船6隻を追加配備し、ヘリコプター搭載型巡視船を含め計12隻体制の他、与那国島(沖縄県与那国町)への陸上自衛隊沿岸監視隊配置など南西諸島の防衛強化を図っています。

第四に、中国の軍事戦略としてのAIIBに対して日本は不参加を決めたことです。AIIBが経済的支配をテコに、軍事面でも従属下に置こうとする覇権戦略であることをいち早く見抜いていました。このため日本はアメリカと協力してAIIBの危険性を訴え、本年(2015)6月末の調印式ではフィリピンをはじめとする計7カ国が参加を辞退するという結果となりました。


3)現状が民主党政権であったなら

もし、現在も民主党政権が続いていたら、日本はどうなっていたでしょうか。改めて考え直してみたいと思います。

TPPには入らない

「環太平洋地域の国々による経済の自由化を目的とした多角的な経済連携協定」であるTPP交渉に民主党政権は最初から加わるはずもありません。


AIIBには積極的参加

ところが、AIIBになら「バスに乗り遅れるな」と即座に参加していたはずです。AIIBは当初、出資額1000億ドル(12兆円)の半分を中国が出すとしていました。しかし、日本が参加すれば、アジア枠の25%、250億ドル(3兆円)以上の拠出を要請し、おそらくは民主党政権は喜んでその話に乗っていたと考えられます。

また、それだけではなく、中国からの度重なる投資の要請に対し、経済界に強く働きかけ対中投資をさらに拡大させていたと思います。これは伊藤忠の動きをみれば十分に予測されます【※2】。

【※2】経済評論家の渡邉哲也氏によると中国経済が破綻の兆候があるにもかかわらず「本年(2015)1月、伊藤忠は6000億円中国投資を決めた」と述べている。

ところで、AIIBは最初から中国企業を最優先にする意図があります。したがって日本企業がインフラ事業に参加しようとしても排除されるだけになりますから、日本にとってはAIIBに出資しても何のメリットもありません。その上、中国経済の先行き不透明でAIIB自体が失敗する可能性が極めて高くなっています。
『中国 経済状況の行き詰まりは、軍事戦略の行き詰まり、『current topics(42)』『同(43)』ご参照)

また、中国経済の失速は、中国に進出した企業に重大な影響を与えます。莫大な借金を抱えて軒並み倒産の危機に陥ることになるのです。実際、日本から進出した企業の多くが撤退を考えている状況下を考えれば、今後の中国への積極的投資は自殺行為になるはずです。


沖縄の米軍基地はなくなり、沖縄は自治区に

民主党政権なら安保法制の議論や集団的自衛権などの意見は最初から出てきません。中国との友好を優先するので、日米同盟を破棄、沖縄にある米軍基地も撤収するはずです。その結果、軍事的な空白地帯が生まれ沖縄の港には中国軍が常時、停泊することになります。さらに、尖閣諸島は中国に組み込まれ、沖縄は日本から独立させられた上、チベットやウイグル自治区のような運命になると予測できるのです。


アメリカが日本を見捨てる日

アメリカは沖縄が中国に制圧されることを容認し、米軍は日本から撤退しグアムを最前線基地にするはずです。また、中国の太平洋分割による米中支配の提案を受け入れる可能性もあります。日本国内の米軍全体も日本から撤収することになります。このように沖縄を失うことは、日本の未来に重大な影を落とすことになるのです。

米軍の撤退時点で日本は中国の支配下に置かれます。思想の自由も表現の自由もない状態で、中央政府や地方政府の中国人官僚による統制のもとに暮らしていくことになります。特権階級を除き想像を絶する貧しさだけが平等に与えられます。そこは明日への希望の無い世界です。そして日本が中国の支配下に置かれた途端、ドミノ倒しのようにアジア太平洋地域は中国覇権の餌食となります。


中国に加担した人びとの運命

民主党議員や沖縄県知事のように中国に取り入る人がおります。中国が日本を支配した場合、読者の皆さまには、そういう人の運命はどうなると思われますか?

実は中国はその人たちを最初に処刑します。これは中国の伝統的な考え方で、「一度、国を裏切った人間は、また国を裏切る」として信用しないのです「特別な地位を保障する」という証文があっても例外なく粛清されるのです。



民主党がこれ以上、中国に加担すれば、亡国の政党の汚名を着るだけでなく、アジア太平洋地域の人びとをも破滅に導くことになります。民主党は今こそ根本から考えを改めるべきです。

つづく



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