赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

①習近平独裁の風景

2023-09-01 00:00:00 | 政治見解



①習近平独裁の風景  :230901情報

中国の「日本叩き」が喧(かまびす)しい。なぜ中国は、かくもヒステリックなのか?

現在、中国では「日本からの核汚染水がやって来る」という風評被害が発生。食塩の買い占めや、放射能計測器の買い占めまで起こっています。このまま放っておいては、いずれ市民の「怒りの矛先」が、日本政府から中国政府に転化するかもしれません。

何せ周知のように、現在の中国経済は最悪で、街には失業者が溢れていて、いつ革命運動が起きても不思議ではありません。不満を外に向けさせるという伝統的な手法で。日本をスケープゴートにしているのが現状です。

そんな中国の情勢について極めて分かりやすいレポートを見つけました。

これまでの中国情報は断片的か、専門的なものが多く全体像がつかみにくかったのですが、伊勢雅臣さんがきわめてわかりやすく中国の事情をまとめておられましたので、許可を得て、転載いたします。


■1.日本からの水産物を輸入禁止とした「皇帝」の独裁ぶり

8月26日付朝刊で、朝日新聞は「中国の禁輸 筋が通らぬ威圧やめよ」と、東京電力福島第一原発の処理水放出を理由に、中国政府が日本からの水産物輸入を全面的に止めると発表した事を批判しています。こういう論説を読むと、「ああ朝日も日本の新聞だったのだな」と、すこし安心します。

中国で発行された原子力専門書「中国核能年鑑」によると、浙江省の秦山原発は2021年に218兆ベクレルと、日本の処理水の海洋放出計画が設ける年間上限「22兆ベクレル」の約10倍に当たるトリチウムを放出しています[産経]。

中国政府自身が公表したこの数字を使って、今後は国際社会に向けて「現在のトリチウム放出量は中国・秦山原発の8%です」などと発表したら良いと思います。いずれにせよ、まともな国で中国政府の反対に同調する国はなく、中国の非論理的な対日批判は常軌を逸しています。

おそらく「裸の王様」となった習近平の独断でやっていることで、取り巻き連中にはそんな「皇帝の独裁」を止める人もいなくなったのではと想像しています。そして、なによりこの独裁者には、自国の人民の苦難もまったく眼中にないことが分かります。

日本側の報道では、国内の困惑ぶりのみが報道されていますが、同様に中国内でも安全安心な日本の水産物がなくなって困る業者、レストラン、消費者がたくさんいるでしょうから。ちょうど良い機会ですから、この際、日本国民が皆で魚を食べて、水産業者を守り、それを通じて食料自給率を上げる方向で努力しましょう。それが日本の経済的安全保障にもつながるのです。


■2.習近平肝いりの「鬼城(ゴーストタウン)」を護るために、100万人の都市が水没させられた

習近平皇帝の中国人民無視は、最近の北京の洪水にも見てとれます。北京の南西60キロほどに位置する啄州(たくしゅう)では水深6メートルもの洪水が町を飲み込み、3階建て以上の建物や交通信号などがやっと水面からのぞくほかは、街並みが水の底に沈んでしまいました。

河北省全体では死者29人、行方不明者26人、被災者は388万人と公式発表されていますが、実際の被害はこれより1桁か2桁多いのでは、と言われています。この被害も、実は習近平の人民無視の人災だという声が出ています。

中国の洪水対策は、あらかじめ低地を「遊水地」と決めておき、洪水になりそうになったら、そこに水を流す、というものです。今回大洪水となった啄州は北京を守るための遊水池だったのです。人口百万の都市を、北京を守るための遊水地にしている、という、なんとも豪快な対策です。

さらに凄い話があります。実は啄州の上流に、華北最大の遊水池「白洋淀」がありました。ここには広大な湖沼群があり、人があまり住んでいない低湿地帯です。ここを遊水池として活用すれば、啄州が洪水に襲われることもなかったはずですが、不幸なことに習近平がこの地に目をつけて、人口2000万人規模のスマート・エコシティー「雄安新区」の建設を始めたのです。

専門家たちは「必ず大水害が起きる場所に都市をつくるべきではない」と反対しましたが、習近平としては、深センを大都市に育てたトウ小平を超えようと、「習近平が自ら発案、計画、指導」して巨大プロジェクトを始めました。すでに5000億元(約10兆円)を投じて、多くの高層ビルや巨大なスタジアムが作られています。

しかし、企業もわざわざ北京から100キロも離れた僻地に移転するメリットはなく、人もあまり住んでいない「鬼城(ゴーストタウン)」となって、建設工事もほとんど止まっています。習近平のご機嫌を損ねないよう、このゴーストタウンを護るために、100万人が住む啄州が身代わりとなって、水没させられたのです。


(つづく)


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