赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

ウクライナ問題と米ロの利害関係 topics(602)

2022-10-02 00:00:00 | 政治見解



topics(602):ウクライナ問題と米ロの利害関係


(昨日の「追い詰められるロシア」の続き)

さて、メディアが入手できない話というのは以下の情報です。なお、情報源は日本人の学者で、旧ソ連時代からロシアの研究者に物心両面の支援をしてきた関係からいまやプーチン氏に近いルートにまで人脈を持つようになった方です。その方から、侵略戦争が始まってからのお話と、現在の段階でのお話をまとめて掲載いたします。

当然、ロシア側の物の見方ですので反発するむきもあるかと思いますが、物の見方はいろいろあると思って、我慢してご覧いただきたいと思います。

(ロシアの侵略戦争開始から一月後)

① テレビに出てくる大学のロシア研究者も防衛省の研究者も、歴史も事実関係も、兵器に関しても、勉強不足と云うよりも、全く無知のようです。これは米国が始めた戦争です。ロシアは、仲良し米国の黙認が無ければ絶対にやりません。真珠湾のときと同じように、プーチンは嵌められた(米国とツルンだKGBか?)と思います。

② 恐ろしい時代がきます。自宅で戦争に参加できるようになりました。好事家は、どちらが側でも面白ければ関係ありません。ソフトが流れています。ハードも例えば米国戦車砲1台は、高級車数台に変わって、流れています。

③ ウクライナも今はロシアのお陰で統一されていますが、もともと分裂国家。民間やゴロツキ集団に渡った兵器は、各派の貯蔵に回っています。「秀吉の刀狩」は難しいでしょう。

(一週間前に届いた情報)

④ モスクワで、ロシアと米国との「落としどころ」の秘密会議が始まったようです。平行線のようですが。プーチンの核への言及も、これと連動しているようです。

⑤ 以前に言及したように、兵器は、6-7割が、内戦用の蓄えと中東に消えているとのこと。ロシアーウクライナ関係よりも、収拾不能な問題になりそうです。

⑥ 欧州のエネルギー問題も、ほとんど展望がないとのことです。

⑦ ロシアーインド、ロシアー中国では、それぞれ通貨は交えても、実質的には物々交換が進んでいるようです。ドル体制は、確実に部分的な世界になります。

⑧ 対ロシア制裁のはずが、西側の金融はぼろぼろ、経済的には人口と一次生産物が圧倒的なSCO側【※1】(オブザーバーを含めて)の圧勝になりつつあります。

【※1】SCO:上海協力機構は、中国・ロシア・カザフスタン・キルギス・タジキスタン・ウズベキスタン・インド・パキスタンの8か国による多国間協力組織。

これはロシア側の見方です。西側諸国とでは物の見方がこれほど違うのかと驚かれたことと思います。これについての個人的な見解を申し述べます。

まず、①については⑥の問題と関連して最後に見解を申し上げます。

次に、③については、ウクライナも今ではロシアに立ち向かう国として尊敬されるようになりましたが、ゼレンスキー以前はならず者国家呼ばわりでしたので、これは事実と考えるのが妥当だと思います。
また、⑤の内戦の可能性については、昨日のブログを読み返していただければ十分に考えられます。モスクワのアメリカ大使館は「米国市民はロシアへの渡航を控え、ロシアに居住または旅行している人は、商業渡航の選択肢が限られている間は、直ちにロシアを出国してください」との呼びかけがなされています。あらゆる可能性も考えているようです。日本政府も速やかな対応をした方がいいように思うのですが・・・。

さて、⑥の欧州のエネルギー事情について、ある国際政治学者は以下のように解説していました。

――今やフランスが、ロシアの輸出している天然ガスの一番の輸入国になってしまいました。これはクレア(CREA)というフィンランドのエネルギーの分析しているところを、前もここからのデータを引用いたしましたが、そこのデータから明らかになったことです。

これはロシアのスプートニク通信が皮肉たっぷりに書いております。これはフランスの原発の原子炉が半分以上は古くなったり故障したりして止まっています。だから化石燃料に頼らざるを得ません。気がついたらフランスがロシア産 LNGの最大の買い手になっていたとロシアの通信社にからかわれております。――

この背景には、の猛暑による水不足で、フランス原発を水で冷却できなかったことが原因の一つでもあるようです。

これに関連して、下記の9月7日の日経新聞記事に注目してください。

――ウクライナに侵攻したロシアの石油が隠れたルートで欧州に流入している。ギリシャ沖でロシア発タンカーから石油を受け取り欧州の港に入港した船が半年で41隻と、1隻だった前年から大幅に増えていることが日本経済新聞の調査で明らかになった。欧州連合(EU)や英国がロシア石油を完全に禁輸するのは年末以降だが、取引が明るみに出ると企業は批判を受けるリスクがある。船の移し替えで産地を曖昧にする流通手法は、制裁の抜け道として残りかねない。――

実は、信じがたいことですがロシア産の石油が大量に英米に流入しているようです。「アメリカではバイデン民主党政権の金城湯池であるNY州とカルフォルニア州に。東海岸には上記のルートで、西海岸にはシベリアから。共産主義崩れの環境運動家が関係している」とは前述の国際政治学者の弁。

このことから、①の「米国の黙認」について、まもなく真実か否かがわかるはずです。①の米ロ間の密約がないのなら、プーチン氏はこの事実を暴露してバイデン政権を揺さぶりにかけるでしょうし、何も語らなければ、①の密約は真実であったということになります。

なお、これに関連して、ウクライナはバイデン大統領の次男ハンター氏の金城湯池です。2020年の大統領選挙で大きな問題となっていましたが、この戦争で、ウクライナ利権の話がいまのところすっとんでいます。誰が一番得をしたのか・・・。

さらに、この戦争で、エネルギー危機に陥らず、自給自足ができるため食糧問題も起きず、武器も在庫処分をして最新兵器に更新することができる国はどこか、それはアメリカしかないという現実があります。米ロ間の密約の可能性があると考えても不思議ではありません。

本当のところがわかるのは時を待つしかありませんが、「米国の黙認によるロシアのウクライナ侵略」という話は、ありうる仮説の一つとして、頭の片隅に置いておく必要はありそうです。


学生時代、国際政治を学んでいた際、私のお師匠さんのお師匠さんが「国際関係は利益で動く。たとえ敵対関係にあっても利益という架け橋で手を結ぶ」と言っておられたのを今、急に思い出しました。

国際政治とは日本人が考えるような理想とか正義とかが実現するところではないのは確かです。しかも、残念ながら、いつも理不尽なことがまかり通るのです。この中で「したたかに生きる」というのは誠実な日本人には非常に難しいことだと理解しておかなければならないと思います。

その意味で、アメリカの政治をも動かした安倍元総理の大戦略は実にすごいものであったとしか言いようがありません。いまさら残念がってもしかたがないことですが、まことに惜しい人を失ったものです。


なお、安倍元総理の外交手腕については下記に詳しく説明しております。ご参考まで。
「中国の野望を打ち砕いた男、その名は安倍晋三」

「安倍さん、安倍さん、ありがとう――世界を中国の魔の手から守った男、その名は安倍晋三」





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