コラム(467):
「希望」の選択――世の悲観論をぶっ飛ばせ!
陳腐な思想は高齢者とともに去る
最近、有名人の逝去のニュースをよく見かける気がします。それも、平均寿命より早く。人間は誰でも「死すべき定め」が宿命ですから当然と言えばそれまでですが、65歳以上の高齢者人口が3640万人で、総人口に占める割合は29.1%となっていますので(2021年9月の時点)、この手のニュースが、これからもっと目立つようになってくるのではないかと思います。
しかも、私の個人的な感覚ですが、戦前生まれの80歳代よりも、これからは、人数の圧倒的に多い団塊の世代(昭和22年から25年)の死亡率が高くなってくるのではないかと推定しています。
なぜなら、私が認識した範囲では、団塊の世代は意外に体が弱く、戦前生まれのタフさにはとてもかなわないと思っているからです。かつて、日本ではモーレツと称される時代がありましたが、それを牽引していたのが戦前生まれのタフな世代ではなかったかと思っています。
ここまで読んでいると、日本の未来はますます暗くなるように見えるかもしれませんが、実際は逆です。高齢者の死によってもたらされるのは日本の明るい未来です。高齢者に多い頑迷で古い時代の遺物となった考え方がその死とともに葬り去られるからです。その中にはマルキシズムや時代の流れに抗する変革を拒絶する思想も含まれます。
不思議なことに、日本では未だ前世紀の遺物であるマルキシズムの残滓が思想界にはびこり、世界的に絶滅した共産党という組織までが存在し、変化に対応しなければならない世の中の流れに抵抗しています。この中には、国民の総洗脳を試みるメディアや、かつては「進歩的文化人」を自称していた学者、法曹関係者も含まれます。
昭和の時代までは「進歩」を唱えていた彼らも、今ではそれを口にすることなく、やれ「憲法を守れ」だの、やれ「制度の改革は許さない」などを唱えるほどの守旧派カルト集団になっています。
しかし、だれであれ天命に逆らうことはできません。彼らの死とともに古臭い役立たなくなった思想も葬り去られることになります。その時期がだんだん近づいてきたように思われます。
「希望」の選択
高齢者がたくさん亡くなるとどうなるのか。そこは若い世代の天下となり、今のような悲観的で暗い世の中とは全く違う明るい世界が現出するのは確かだと思います。
世の悲観論、日本はもうだめだとか、これから悪くなるだけだとかいう悲観的、投げやりな見解は、何事も問題視することで世の中を不幸にする方向にもっていきたいメディアと、高齢者特有の自分の境遇を反映させた世界観がマッチした結果であり、多数を占める高齢者の考え方が世の中に蔓延しているだけなのです。
しかし、よく考えてみれば、高齢者がまもなく天に召されることにより、若い世代が医療負担や年金の重圧から解放されるのは確実です。その上、未だ枯れずに、ああせい、こうせい、と口うるさく干渉して何かと妨害してくる高齢者(メディアも含む)がいなくなれば、若い世代にとっては不要な重しがとれるのですから歓迎すべき事態となります。
これは、敗戦直後の天にも突き抜ける開放感と同じものになると思います。さまざまな文献を見ると、戦後のはじめは、戦争で多くの方がなくなり、またGHQWによる公職追放などもあって、生き残った人にとっては目の上のたんこぶ的存在がなくなり、ものごとを他人の指図ではなく、自分の考えで推進できていたことがうかがい知れます。
また、いまの悲観論は、高度経済成長以降に、明確な中心的価値観を見失ったことに起因します。これが、いつしか日本が暗いムードに覆われ、長い停滞から抜け出せずにいる原因です。しかも、最近は、極度の円安で先行きを不安視する声が一層大きくなっているわけです。
これをぶっ飛ばすには、ただ、発想を変えればいいだけです。
人間には天からの贈りものとして、創造の自由が与えられています。そして、創造とは、想像=イマジネーションから始まり、言葉として人びとに伝えて、行動を起こすことで実現できるものです。世の成功者と言われる人、偉人と言われる人、偉大な政治家と言われる人は、構想を練り、言葉に託し、行動という努力を積み重ねた人たちです。その思いと言葉と行動を、ほんの一部だけでも見習えば、世の中の悲観論は吹っ飛ばせることができると思います。
したがって、円安であっても、国内のあらゆる分野の生産力を高めるチャンスととらえ、観光も外国人に頼らず日本人が積極的にいくディスカバージャパンの再現を行い、割高な輸入をできるだけ少なくすることを基本にすれば日本は必ず蘇ります。
日本は金融立国ではありません。製造業でもっている国です。製造業でもっている国にとっては、自国の通貨安は製造業を復活させるため、国際競争力をつけるための格好の条件なのです。そして、これにソフト、デジタルコンテンツなどを含めて輸出を活性化すればいいと思います。そのためには、いじけてばかりいないで、もっと頑張って知恵を出し合い、働くことも必要だと思います。
また、通貨安のときに外国に旅行することはあまり賢くありません。その分。日本人が国内旅行をすれば、円安のデメリットというものは感じないですみます。しかも、日本人が外国旅行で落としているお金を国内で落とせば、インバウンドの外国人旅行者が日本で使うお金を十分に補填することができると思います。
ここまで読んでこられた方はお分かりのように、今、日本で一番求められているのは「希望」という考え方なのです。希望とは、好ましい事物の実現を望むことです。多くの日本人が各人なりの希望を抱けば、その想念の総和が日本の希望となり、明るい未来を創る原動力になります。先ほど述べた創造力の源です。
現在の、メディアと高齢者による「日本沈没を期待する」悲観論はどうせ先行きの短い人のたわごとと思って放置しておけばいい。それよりもわたしたちはしっかりと希望を抱き続けることが大切だと思います。
かつて、安倍元総理は、世界の覇者の地位から落ちて悲観論だらけのアメリカで「希望」を語り、大喝采をうけたことがあります。この話は当ブログの「中国の野望を打ち砕いた男、その名は安倍晋三」に演説の一部を掲載していますが、これが日米関係のターニングポイントになりアメリカという国をも動かしました。
それほど、希望という言葉には人びとを突き動かす何かがあるのです。
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