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米中首脳会談③――米国が繰り出した7つのパンチ
(『米中首脳会談②――習近平・中国側の攻撃』のつづき)
昨日に引き続き、米中首脳会談の情報をお伝えします。
■米国が繰り出した7つのパンチ
中国に一番衝撃を与えたのが、ナンシー・ペロシ下院議長が台湾訪問を終えて8月9日に成立させたCHIPS and Science Act 【※1】、半導体法案です。これは中国の半導体業界を潰す一本の法案です。
【※1】CHIPS and Science Act は、先端研究とイノベーションの様々な面に資金を提供する法案です。米国内の半導体チップの開発・生産に527億ドル(約7兆円)、ワイヤレスサプライチェーンの革新に15億ドル(約2,000億円)、さらに1,699億ドル(約22兆円)の資金を国立科学財団(NSF)、商務省、国立標準技術研究所(NIST)、エネルギー省(DOE)に割り当て、先端研究とイノベーションの様々な面に資金を提供します。
その後は、バイデン大統領からアメリカ政府への行政命令で、半導体を生産する機械や人材や技術が中国に渡ることを禁止しました。この二つは極めて強い対中政策です。
そして、この首脳会談の前後に7つのパンチを食らわせました。
①台湾問題についてのレッドライン設定を警告
会談をする前に、わざと「この会談はこのレッドラインを引くためにやりに行く」ということであれば相手からすれば極めて不愉快です。
②「台湾問題は妥協不可能」「軍事介入による台湾防衛」と明言
二番目は、バイデン大統領が何を言ったかというと、「台湾問題に関しては根本的に譲歩しない」。そしてこれからは軍事的にも防衛すると言ったのです。
③会談内容を台湾に報告すると事前に明言→台湾を同盟国以上の扱いに。
三番目のパンチは何かと言うと、これは安全保障補佐官のジェイク・サリバンが新聞記者にはっきりと「今回の会談内容を台湾に報告する」と述べたのです。
アメリカが首脳会談の後に、別の国に事後報告することは特に珍しいことではないですけれども、特に中国との会談の後には必ず台湾に報告するのです。
これ自体今までの慣例なんですが、しかし今までは、「台湾に報告する」と公開の場で言うことはありませんでした。
恐らく米中首脳会談については日本にも報告すると思うんですけれども、しかし、「日本に報告する」とわざと記者会見で言っていないですし、イギリスに報告するとか、EUに報告するとか、全然言っていません。ある意味で台湾を同盟国扱いしているのです。
これについて中国は猛烈に怒りました。中国外交部の報道官である趙立堅は「これは極めて悪質な行為だ」と言っています。
(つづきは午後に掲載)
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