コラム(315):災害時、明暗が分かれた自治体トップの対応
相次ぐ台風の襲来は、図らずも自治体トップの心の奥までもさらけ出してしまうという結果をもたらしました。人びとが危急存亡の状態にあるとき、自治体トップの意識が自治体職員の意識に作用して、住民の生存とその後の命運を大きく左右させるという事態が次々と起こっています。
たとえば、千葉県の森田健作知事は大型台風15号の接近で警戒を要したにもかかわらず千葉県庁に出勤していなかったため初期対応を怠り、県職員も危機意識が希薄で被害を拡大させる結果をもたらしました。
また、台風19号では、断水が生じた神奈川県山北町の要請で出動した自衛隊の給水車に、県が「手続き上」の問題で拒否し、自衛隊は給水せずに撤収せざるをえない事案が発生しました。山北町は怒り心頭でしたが、黒岩祐治知事は「自衛隊が上からの指令ではない形で動いたということ」と述べ、県の対応には落ち度がなかったことを強調しました。神奈川県の職員は知事と同様に、プライドが優先して、住民のことは二の次になっています。
このような住民に寄り添おうとはしない自治体もある中で、東京都の小池百合子知事は、車道が崩落して孤立していた奥多摩町日原地区に30分歩いて向かいました。知事が「日原地区の皆さんのお元気な姿が確認できてよかった」と述べていましたが、地元住民も大変喜んでいるのが印象的でした。
この違いは何に起因するものなのか、危機への対応と人間の精神性の相関関係を研究している友人から以下のような分析が寄せられました。
物事を判断する時に、どこの意識を使っている人なのかで決まります。
表面的な知識、情報だけで見ている人。
深い洞察、魂から湧き出る感情に基づいて物事を見ている人。
特に人の生命に関わる問題では後者の絶対的意識が働くわけです。
自己保存や様々な欲を持って生きている人は絶対的意識が働きません。
だから目の前の人を助けることよりも下らない規則を優先するわけです。
特に政治家は規則やルールを超えた深い洞察力や魂レベルの感性が不可欠だと思います。
都民は、山道を歩いてでも助けたいと本気で考えられる人が都知事で幸せだと思います。
なお、意味のない外遊をする政治家が多い中、小池都知事は台風対策に集中するためアメリカでの受賞式を断りました。
小池知事を揶揄する人が多くいますが、こうした潔い決断ができる人が本物の政治家だと思います。
お問い合わせ先 akaminekaz@gmail.com【コピペしてください】
FBは https://www.facebook.com/akaminekaz