コラム(183):民進党はなぜ敗れたか
参議院選挙は、自民56、民進32、公明14、おおさか維新7、共産6、社民1、生活1、無所属4で議席が確定しました。これで、結果的に民進党の「一人負け」という構図となりました。
聞くに堪えられない憎悪表現
民進党が国民に支持されなかった最大の原因はその言葉の使い方です。言葉には人格が伴うものですが、彼らの発する言葉には、安倍政権への憎悪だけが込められています。政策とは無縁の罵詈雑言は、人の心の劣悪な感情を煽るだけです。共産党のレッテル貼りも同様です。しかも、党幹部の表情が国民の民進党に対する印象を一層悪くさせていました。
相手を罵倒することによって、自らの立場を優位にすることはありません。このところ選挙で民進党が連敗し続けている原因は、批判と憎悪の違いを認識できず、憎しみに満ちた言動を続けていたからではないでしょうか。
戦争を望むものなど誰もいない
野党が共通して主張していた「憲法9条の平和主義を守る」という問題、なぜ彼らは、殊更にこれを強調しなければならないのでしょうか。戦争を望むものなど誰もいません。国民は、無防備では侵略される恐れがあるから国の守りを固めなければならないと思っているだけです。
仮に、国民が彼らの主張どおり改憲が戦争につながるものだと認識しているのなら、民進党は選挙に勝ったはずです。そうならなかったのは、彼らの主張に論理的整合性を見出せなかった証左にほかなりません。国民は民進党が考えているほど愚かではないのです。
民進党再生の道
選挙選でアベノミクスを批判する一方、民進党からは明確な対案の提示はありませんでした。しかも、社会政策を経済政策と混同し、「分配を重視し、個人の所得を増やす」という考えを主張するに留まりました。この考え方は、民主党政権時代と同様、お金をばらまいて有権者の票を買うと古臭い政治を復活させるだけなのです。
また、安倍総理の消費増税先送りは、英国のEU離脱の事態により、その判断が正しかったことを証明することになりました。逆に、批判だけの民進党に先見の明がないことが明らかとなったのです。
21世紀になって情報と経済の動きは瞬時に国境を越えるようになり、国際情勢の変化に一国の政府だけでは対応できない状況になっています。それにも関わらず、国際社会の動向、情勢を見ることなく、政権打倒だけを目的にしていては、あまりにも視野が狭すぎます。
民進党が再生したいと願うのであれば、今までの考え方を捨て去って、未来に向かって、国民のために何をなすべきかを真剣に考えなければならないと思います。今回の惨敗を機に、政党としてのあり方を根本から考え直す時に来ているのではないでしょうか。
お問い合わせ先 akaminekaz@gmail.com
FBは https://www.facebook.com/akaminekaz です