赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』(43)
誤解される「言論の自由」
言論の不自由が横行する日本
6月末に作家の百田尚樹氏が沖縄の新聞社に対する批判をした際、マスコミは一斉に言論封殺キャンペーンを行いました。護憲を叫んでいたマスコミが憲法21条【※1】に反して攻撃する光景は異様なものでした。
【※1】「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」
また、7月末には礒崎陽輔首相補佐官が安全保障法案をめぐり「法的安定性は関係ない」と発言したことが問題視され、参議院で追及されました。話の流れからはさほど問題はないにもかかわらず、一部分だけを切り取って問題発言にしました。
さらに、8月になって、自民党の武藤貴也議員が、国会前でデモを行う学生団体「SEALDs」(共産党系民青組織)をツイッターで批判すると、民主党幹部までが非難する事態に発展しました。これも同様の言論封殺を意図した事件です。
マスコミは大岡越前守
時代劇では「市中引き回しの上打ち首獄門」がありますが、近頃のマスコミはまるで「大岡裁き」のように見えます。彼らは、自分たちと異なる意見の人に、悪人の烙印を押し、社会的生命を抹殺しようとしている点です。作家生命を奪い、政治生命を断とうとします。
このところ、野党の考えとマスコミの意向に反する考えの人はものが言えない風潮になっています。きちんとした対案を出さず、批判ばかりの人たちは、安倍内閣を退陣させた後、一体何ができるのでしょうか。正当な議論をせず、ただレッテル貼りで物事を決めつけるのは民主主義を破壊する行為と言わざるを得ません。
中国のファシズム、文化大革命
かつて中国では文化大革命の嵐が吹荒れたことがあります。文化大革命は毛沢東が自身の復権を画策した権力闘争目的だったと言われています。その時に過激な活動をしたのは紅衛兵でした【※2】。
【※2】紅衛兵:彼らは、原理主義的な毛沢東思想・マルクス・レーニン主義を熱狂的に信奉・護衛する者達である。文革中、毛沢東語録を常に保持し、暗記した。忠字舞を行い、毛沢東と共産主義・新中国建設への忠誠を誓った。「造反有理、無罪革命」を叫び、黒五類(資本家や知識人など)を吊るしあげるなどのリンチを行った。
彼らは古い思想や文化の破壊のために「批判闘争大会」と呼ばれる吊し上げを行いました。そのため、国民が何も言えない時代が10年余りも続きました。被害者は1億人にものぼり、死者は4000万人を越えたと言われています。
SEALDsは日本の紅衛兵
現在の日本で紅衛兵にあたる存在がSEALDsです。前述の武藤氏に対してツイートした女子学生の発言を見れば、SEALDsの本質がわかります【※3】。
【※3】ほなみ @hnm_3433 14:34 - 2015年8月1日:(途中から)だから平気でそーゆうクソ発言できるんだな。お前の方が自己中だし利己的だわ。ふざけんなよ。てめーの体のすべての穴に五寸釘ぶち込むぞ
19歳の女性の反体制活動家でもこれだけの罵詈雑言を言うわけですから、これでは善良な人は発言するのが怖くなります。
自分たちの問題発言には騒がない
先日、朝日新聞の冨永格特別編集委員が「ナチス支援者が安倍晋三政権の支持者である」という不適切なツイートを行いました【※4】。
【※4】ナチス・ドイツの旗を持った人たちのデモ写真とともに、英語で「東京での日本人の国家主義者によるデモ。彼らは安倍首相と彼の保守的な政権を支持している」と書き込んだ。
冨永氏は後に釈明、謝罪しました。ネット上では問題視されたものの、マスコミはあまり取り上げませんでした。
自らの言論に責任を取らない元朝日の植村氏
8月4日にはサンケイ新聞に慰安婦報道に関わった元朝日新聞記者植村隆氏のインタビューの抜粋記事が掲載されました。記事を見た印象は「責任逃れ」の一言です。植村氏の取材方法も、裏付け取りも実に杜撰なものだったとの印象を持ちましたが、むしろ「朝日新聞のおかげで何か日本がおとしめられたという具体的な証拠があったら教えてほしい」との植村氏の居直り発言には愕然とさせられるばかりでした。
植村氏は朝日新聞社の社風に埋没し異常な価値観で染まり、自らの言論がいかに悪影響を与えたかの自覚がありません。しかし、日本と日本人を貶めた責任から免れることはできないのです。
言論の自由とは
言論の自由に対する重要な前提は「言論には責任が伴う」ということです。現代の「言論の自由」問題は、言論に責任を取らない人たちが「言論の自由」を声高に叫び、言論の重みを知っている人が寡黙であるという特徴があります。しかも、言論に対して責任を取らない人が、意見を異にする人に対し言論を封殺する傾向があるのです。
言論の自由とは、自由な発想や自由な発言、自由な議論が社会の進歩につながることを前提に積極的に行使されるべきだし、逆に、根底に悪意や嫉妬、攻撃性がある場合は、相手も自分も傷つき社会を暗くする原因になるので行使すべきではないと思います。悪意ある言葉は言論ではないのです。
マスコミにおかれましては、国民の安全や平和な暮らしを守る立場に立つことを前提に、真の言論の自由を発揮していただきたいと思います。
当ブログもその精神で発言を続けていきたいと思います。
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