さびしい乞食は北杜夫氏が 純文学とエッセイの二本立て路線のどちらにも属さない作品だ。
個人的にはこの作品を境に、北氏の作風が落ちたと思う。
ユーモラスであるけれど 氏の天然的な文章ではなく意図的に笑わせようという文章となったと
このあとにも さびしい姫君さびしい?とあと一作の計3部作で完結している。
北氏の文学作品の中では 再販できないものがある。これは前にも書いたが時代と共に変遷する
差別的表現があるからだ。言い換えて再販も可能だろうが、そして言葉ばかり(つまり表現単語)を
といえばきりがない。しかし放送禁止用語があるが これは差別だと言われないためのマニュアル
でもある。
乞食という表現も・・・受け手の多様な価値観がある。