
特別展『少庵四百年忌記念 千少庵』
茶道資料館 サイト ※9月3日(火)~10月6日(日)
展覧会前で写真を撮り忘れたので、京都駅前で1枚。
3年前~2010の春に会津若松で開催された『千少庵と蒲生氏郷』展を私は観に行かなかった。
それが心残りで。
翌年の東日本大震災もあり、「やはり後悔するくらいなら、行くべきだったな」と。
なので、7月にプライス展も行ったし、今回も「ハードスケジュールでも行かなくちゃ
」
と思って、それこそコレを観るためだけに
京都で途中下車。
利休さんの後妻(宗恩)さんの連れ子とはいえ、息子の少庵さんも四百年忌かぁ。
初心者だった頃に見た利休さんの四百回忌展(1990年)がわからないなりに印象深く残っているので、
少庵さんが利休切腹後、23年間しか生きられなかったことがとても意外に感じた。
でも、享年69歳なんだんよねぇ。(享年70歳の利休さんとさほど変わらない)
没年から逆算した生年が1546年(天文15年)とか、まだ謎が多い人物なのかもしれない。
織田信長とも3才違いなんだなぁ。(少庵さんの方が3つ年下)
そういうこと、今まで考えたことがなかったなぁ。
なんてことを考えながら、バスに揺られて茶道資料館へ。
そして目にした『太郎坊』。
長次郎初期の作とされる赤楽茶碗。
光沢がなかった赤みがかった赤とまっすぐな宗易形が存在があって、「さすがぁ
」
少庵所持とわかる数少ない茶碗の一つ、青井戸茶碗『少庵井戸』。
根津だったか三井だったかで見た青井戸よりも大きくて、ちょうど飯茶碗くらいの大きさ。
「落語の『井戸の茶碗』やわ~」と、まったく無関係のことを思ってしまった
独楽香合は稽古場にも写しがある。
利休自刃後、少庵さんが秀吉に許されて召し出された際に拝領したもの~という由緒があるそうな。
(初めて知った)
いわば、千家再興の記念の品。
だから、写しが「稽古道具」として定着しているのかぁ。
「これが本歌かぁ
」と思って、まじまじと見た。
ほかはねー、
唐物茶入「利休尻膨」があってちょっとビックリ。(細川さん、道具貸し出しすぎ?)
唐犬釜は利休さんから受け継いだもの。
田口釜『桜川』もそうだけど、なんともユニークな形状が面白い。
てゆーか、利休さんのセンスって、やっぱりスゴイ。
利休の塗師だった盛阿弥作の黒塗手桶水指も少庵所持とされる逸品。
水指というよりは、単純に手桶としても使っていたようにも感じられる。
少庵好の道具では与次郎作の雲龍釜の細長さ、二代与次郎作の四方釜の流線型が印象的。
やはり、繊細な性格の方だったのだろう、、、と想像してみる。
茶箱用の棗の形状している香合。なんと「形」的に2つもあった。
へぇー。当時はこういう形の香合があったのね。
不審庵所蔵の少庵像は展示替の関係で拝見できず。
その代わり、宗旦筆の道安像が拝見できた。
伯父甥の関係ではあるけれど、結びつきがないような先入観があったので、意外だった。
道安筆の織田有楽斉宛の消息もあって。
仲が悪いのかと思っていたけれど、有楽斉を通じて交流があったという。
これまた意外。
ちょっと点数が少なかったのが残念。
会記も10月第1週までと短いしなぁ。
と少々物足りなく思っていたら、
表千家北山会館で少庵展が開催予定。
『利休四百年忌 千家二代 少庵ゆかりの茶道具展 -利休継承とその時代-』
10月19日(土)~12月15日(日) サイト
これも楽しみダ
5年前に出た今日庵歴代 第二巻「少庵宗淳」も読み返さないとね
ちなみに、次回の展覧会は…
秋季特別展 佐賀県立九州陶磁文化館名品展『華やぎの九州陶磁』
10月19日(土)~12月8日(日)
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★茶道資料館バックナンバーリスト
2013年4月 春季特別展『永青文庫所蔵 香道具展』 併設展『入門 茶の湯と香道具』
2012年1月 新春展『大松コレクション名品選 -近代絵画と茶道具-』
2012年11月 秋季特別展「-茶会記に見る茶道具-姫路藩主酒井宗雅の茶と交遊」(後期)
2012年10月 秋季特別展「-茶会記に見る茶道具-姫路藩主酒井宗雅の茶と交遊」
2012年8月 「京三条せともの屋町」
2012年5月 「四季の画賛と待合のしつらえ」
2012年2月 新春展「新春の取り合わせ」
2011年10月 肥後松井家の名品「武家と茶」
2011年8月「鵬雲斎千玄室の茶」(後期)
2011年5月「鵬雲斎千玄室の茶」(前期)
2011年2月「近代茶道の先駆者 玄々斎と又日庵 」
2010年11月「東京国立博物館蔵 広田不孤斎コレクション 茶の湯の名品」
2010年9月「千家茶道の継承 裏千家十三代 圓能斎鉄中宗室」
2010年5月「茶書にみる茶の湯の歴史」
2009年11月「わび茶の誕生-珠光から利休まで-」
2009年3月「春に笑む」
2008年10月「鎌倉時代の喫茶文化」
2008年8月「涼を求めて 染付磁器の魅力」
2007年11月「千宗旦」
茶道資料館 サイト ※9月3日(火)~10月6日(日)
展覧会前で写真を撮り忘れたので、京都駅前で1枚。
3年前~2010の春に会津若松で開催された『千少庵と蒲生氏郷』展を私は観に行かなかった。
それが心残りで。
翌年の東日本大震災もあり、「やはり後悔するくらいなら、行くべきだったな」と。
なので、7月にプライス展も行ったし、今回も「ハードスケジュールでも行かなくちゃ

と思って、それこそコレを観るためだけに

利休さんの後妻(宗恩)さんの連れ子とはいえ、息子の少庵さんも四百年忌かぁ。
初心者だった頃に見た利休さんの四百回忌展(1990年)がわからないなりに印象深く残っているので、
少庵さんが利休切腹後、23年間しか生きられなかったことがとても意外に感じた。
でも、享年69歳なんだんよねぇ。(享年70歳の利休さんとさほど変わらない)
没年から逆算した生年が1546年(天文15年)とか、まだ謎が多い人物なのかもしれない。
織田信長とも3才違いなんだなぁ。(少庵さんの方が3つ年下)
そういうこと、今まで考えたことがなかったなぁ。
なんてことを考えながら、バスに揺られて茶道資料館へ。
そして目にした『太郎坊』。
長次郎初期の作とされる赤楽茶碗。
光沢がなかった赤みがかった赤とまっすぐな宗易形が存在があって、「さすがぁ

少庵所持とわかる数少ない茶碗の一つ、青井戸茶碗『少庵井戸』。
根津だったか三井だったかで見た青井戸よりも大きくて、ちょうど飯茶碗くらいの大きさ。
「落語の『井戸の茶碗』やわ~」と、まったく無関係のことを思ってしまった

独楽香合は稽古場にも写しがある。
利休自刃後、少庵さんが秀吉に許されて召し出された際に拝領したもの~という由緒があるそうな。
(初めて知った)
いわば、千家再興の記念の品。
だから、写しが「稽古道具」として定着しているのかぁ。
「これが本歌かぁ

ほかはねー、
唐物茶入「利休尻膨」があってちょっとビックリ。(細川さん、道具貸し出しすぎ?)
唐犬釜は利休さんから受け継いだもの。
田口釜『桜川』もそうだけど、なんともユニークな形状が面白い。
てゆーか、利休さんのセンスって、やっぱりスゴイ。
利休の塗師だった盛阿弥作の黒塗手桶水指も少庵所持とされる逸品。
水指というよりは、単純に手桶としても使っていたようにも感じられる。
少庵好の道具では与次郎作の雲龍釜の細長さ、二代与次郎作の四方釜の流線型が印象的。
やはり、繊細な性格の方だったのだろう、、、と想像してみる。
茶箱用の棗の形状している香合。なんと「形」的に2つもあった。
へぇー。当時はこういう形の香合があったのね。
不審庵所蔵の少庵像は展示替の関係で拝見できず。
その代わり、宗旦筆の道安像が拝見できた。
伯父甥の関係ではあるけれど、結びつきがないような先入観があったので、意外だった。
道安筆の織田有楽斉宛の消息もあって。
仲が悪いのかと思っていたけれど、有楽斉を通じて交流があったという。
これまた意外。
ちょっと点数が少なかったのが残念。
会記も10月第1週までと短いしなぁ。
と少々物足りなく思っていたら、
表千家北山会館で少庵展が開催予定。
『利休四百年忌 千家二代 少庵ゆかりの茶道具展 -利休継承とその時代-』
10月19日(土)~12月15日(日) サイト
これも楽しみダ

5年前に出た今日庵歴代 第二巻「少庵宗淳」も読み返さないとね

![]() | 『裏千家今日庵歴代 (第2巻)』 |
千宗室監修 | |
淡交社 2008年刊 |
ちなみに、次回の展覧会は…
秋季特別展 佐賀県立九州陶磁文化館名品展『華やぎの九州陶磁』
10月19日(土)~12月8日(日)



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2013年4月 春季特別展『永青文庫所蔵 香道具展』 併設展『入門 茶の湯と香道具』
2012年1月 新春展『大松コレクション名品選 -近代絵画と茶道具-』
2012年11月 秋季特別展「-茶会記に見る茶道具-姫路藩主酒井宗雅の茶と交遊」(後期)
2012年10月 秋季特別展「-茶会記に見る茶道具-姫路藩主酒井宗雅の茶と交遊」
2012年8月 「京三条せともの屋町」
2012年5月 「四季の画賛と待合のしつらえ」
2012年2月 新春展「新春の取り合わせ」
2011年10月 肥後松井家の名品「武家と茶」
2011年8月「鵬雲斎千玄室の茶」(後期)
2011年5月「鵬雲斎千玄室の茶」(前期)
2011年2月「近代茶道の先駆者 玄々斎と又日庵 」
2010年11月「東京国立博物館蔵 広田不孤斎コレクション 茶の湯の名品」
2010年9月「千家茶道の継承 裏千家十三代 圓能斎鉄中宗室」
2010年5月「茶書にみる茶の湯の歴史」
2009年11月「わび茶の誕生-珠光から利休まで-」
2009年3月「春に笑む」
2008年10月「鎌倉時代の喫茶文化」
2008年8月「涼を求めて 染付磁器の魅力」
2007年11月「千宗旦」
ときどき、おじゃましております。それにしても、茶道の先哲について、究明しようとなさるお姿は、求道者のようですね。新参者としては、うわーすごい!!
茶道を始めたばかりで、右も左もわからないおばちゃんです。どうぞ宜しくお願い致します。
月末に京都へ行きますので、時間があったら 少庵展観たいと思います。初心者でも、何か心に残るものがありますように。
はじめまして。
究明とか求道とか、
そんな御大層なもんではなく、
個人的な備忘録です。
茶道を習う前は展示されている道具を見ても
用途がわからず、スルーでした。
稽古が進むにつれ、
道具の用途が理解できるようになり、
見処も何となくわかるようになり、
その道具が実際に使用された情景を想像するようになり、
それを使った方にも思いが至る。
それが茶道を習う励みに還元されていきます。
今回の場合、手元に資料がありながら事前に目を通さなかった事が反省点。
その反省は次に生かさないと、ね。
茶道に限った事ではないですが。
京都に行かれるならば、
当blogのカテゴリー「一覧表」を見て下さい。
展覧会情報をまとめてあります。
楽美術館や大西清右衛門美術館もいいですよ。