以前から行きたいナと思いつつ、なかなか機会がなかったのが東大阪市の司馬遼太郎記念館。
司馬さんがまだ現役で活躍していらっしゃった頃から東大阪市在住だということは知っていた。
だから、奈良へ行くとき、阪奈道路や近鉄で大阪市中心部から東へ真っ直ぐ進行する際には「どの辺りかなぁ」と思っていた。
司馬さんが亡くなったのは阪神大震災の翌年の2月。
上京して間もない頃で新聞紙面で訃報を知ったかと。
たしか急だったし、てか記憶が定かじゃないんだけど、たしか週刊朝日の『街道をゆく』も続いていたんじゃなかったかなぁ。
皮肉なことに亡くなったことによって、ご自宅の隣接地に記念館が建てられて、「司馬さんってあの辺りに住んでいたのねぇ」。
が、近鉄線の普通しか停まらない駅だったし、その時は関東暮らしで東大阪どころか奈良にもご無沙汰していて。
そもそも司馬作品からも遠ざかっていたので、すっかり忘れてしまっていた次第。(^^;
2004年に茶道の関係で『坂の上の雲』を全巻読破し、2019年5月に松山の坂の上の雲ミュージアムを訪れ、
昨年は高田屋嘉兵衛顕彰館を訪れた。
で、思い出した。「そういえば、東大阪をまだ訪れていなかった」と。
実は思い出した決定的な理由もあるんだけど、それは内緒。
そういうわけで、半月ほど前に所用で大阪へ行った際に訪れた。
近鉄線じゃなくJRおおさか東線で最寄りまで行って、そこからてくてく歩いた。
住宅街の中から素敵な建物の前に出て、びっくりした。
裏側ということでぐるっと回って表に出た。そこかがご自宅。
庭を通り抜けて記念館へ。
司馬さんの書斎の前を通った。
生前、記念館の敷地はどういう状態だったんだろう。(雑木林だった?)
奥に記念碑も。
菜の花もあちこちに植えられていたんだけど、まだ花が咲くには早いようで。
記念館へ。
安藤忠雄氏の設計による円形の建物。(たしか坂の上の雲ミュージアムも安藤忠雄氏だったっけ?)
記念館内部は撮影禁止。
地階から2階へ、壁面の端から端までの書棚は本でいっぱい。
圧倒された。
その一部は司馬作品だけど、半分以上は司馬さんが資料として集めたもの。
たぶん、それが全部じゃないと思う。一部なんだろうけど、とにかく膨大な量で。
すごーい。
紹介映像も2本視て、カフェでリンゴジュースも飲んでと2時間近く滞在。
ちなみに今年は司馬さん生誕100年とのこと。
昭和の、戦後の高度成長期から平成の始めまで活躍した作家(小説家)はたくさんいるけれど、
司馬さんは別格なような気がする。
亡くなってから27年経つなのに、書店にちゃんと並んでいるし、コンスタントに読者はいるし、
今でもドラマ化も映画化もよくされる。
そのせいか、館内わりと盛況で。
作品はまだちゃん“現役”なのだ。
週刊朝日でもまだ「司馬遼太郎の〇〇」で連載がされていて、それも貯まれば年一ペースでムックとして出版されている。
週刊朝日で連載が今も続いている影響もあって、「埋もれない」作家と作品なのだろうなぁ。
と思っていたら、先週ビックリするニュースが飛び込んできた。
なんと、あの週刊朝日が今年の5月末で休刊するんだって!
いやー。驚いた。
司馬さんの連載が読めなくなっちゃったら、時の流れに埋没していくのかなぁ。
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