Akatsuki庵

日々と向き合って

久しぶりに藤田美術館

2024年01月22日 22時45分10秒 | 美術館・博物館etc.

今月前半、「成人の日」に伴う3連休に大阪へ行った。

ところが予定した所用がものの見事に空振り。
ポコッと空いた時間をどうするか。
あ、京阪沿線にいる。じゃ、京橋へ行こう。

京阪京橋駅からの道のりはかなり久しぶり。
でも、なんとなく足がルートを覚えていた。

一昨年にリニューアルオープンしてから藤田美術館を訪れるのは2度目。
前回は再開直後ということもあり、ただただ人が多くて。落ち着かなくて。
展示室が暗くで鑑賞しづらくて。
「しばらくココはいっかな~」と足が遠のいていた。

が、2年経って落ち着いたのか、はたまた真冬の連休中日(なかび)の午前中で
人の出足が遅かったのか。

要するに空いていた。

ラッキー。
ちょうど小腹も空いていたので、美術館に入るより茶屋で一服を優先。

目の前で釜からお湯を淹れて点ててくれるのがウレシイ。

薄茶とお団子で一休み。

ちょっと前だったら「500円! 高っ!」と感じるところだけど、
物価高となった今となれば「ワンコイン(スマホ決済だけど)でいただけるなんて、良心的だわ」
と思ってしまう。

そうしてゆったりした気分でキャッシュレス決済で美術館へ。
以前は800円だった入館料が1,000円上がってしまったことも財布から現金を出すやりとりがないせいか、サラッと値上げ感をスルーされてしまうことがちと悔しい。

入館して展示解説ツアーが始まった。

以前と同じで、学芸員おすすめの展示物に絞っての解説。
館内は3つのコーナーに分かれているので各コーナーから1つずつ選んでとても詳しく、そして楽しく説明してくだった。

「妖」(1/31まで)からは『綱島船遊画巻』。
綱島、つまり現在の藤田美術館が建っているあたり。
引いては藤田家の邸宅があった場所。

岡田半江という江戸時代後期を生きた人(趣味人?)で
お友だち数人と大川で楽しく舟遊びをした様子を描いている。
(それが綱島あたりだった~ということかしら)

寄せ書きのように名前が書き連ね合ったり。いいねぇ。

「竹」(3/31まで)からは尾形乾山作の銹絵絵替角皿枚のうちの竹を描いた2点。
10枚中、なぜか竹だけが3点も描かれているのだとか。

「山」(2/29まで)からは竹鶴蒔絵茶箱。
なぜ「山」なのかというと、茶杓の銘が「富士の根雪」だからだそうで。
銘名の由来は不明とのこと。
こういった「茶箱」は実際に使用するという用途本位ではなくて
あくまで取り合わせを工夫する愉しみ!なのだそうな。
自らの膨大のコレクションの中から選び抜いて、うまくハマった時の嬉しさといったら。
夜な夜な、箱から道具を出して悦に浸って、時々はお友だちと見せ合いこして。
なんか、オタクっぽい感じで数寄人たちは楽しんでいたみたい。

なるほど、実際にあれを用いて屋外でお茶を点てたりしないんだぁ。
そんな大事なお道具、なまじお点前なんかして壊したりしたら、えらいことだもんね。

なんか妙に得心したというか、胸のつかえがストンと落ちた気分。

帰ったら、三井記念美術館で購入した茶箱展の図録を見直したい!
実用ではなく、取り合わせの妙の観点から眺め直したら全く違った印象を持ちそう~
と思った。
(まだ、図録見直してないけど。忘れないためにそう思ったことを記録しておく)

展示目録はない。
でも、スマホのサイトをQRコードからアクセスしたら、展示一覧と各展示の解説は読める。
(私はさらにブックマークして、後日読み返している)

30分の予定だった展示解説は学芸員さんがノリノリでいろんなことをお話し下さり、大幅にオーバー。
でも、楽しかったし、勉強になった。

展示解説の後、残りの展示物も鑑賞した。

藤田美術館へは20回訪れたし、休館中に余所へ出張した展覧会も観に行った。

だから、たぶん最低でも1度は拝見したものだと思う。
なので、一つ一つの展示品にはこだわらない。
とりあえず拝見して、気に入ったものだけどじっくりと鑑賞する。

今回は二重切竹花入『よなが』を観て「懐かしいなぁ」と思った。

昔、よく買った冊子はもうないのかしらと思ったら、こちらは健在。

やっぱり値上げしている! 買わなかった。
代わりにブックマークしたサイトの展示解説を暇なときにチビチビ閲覧している。

展示室を出たらそろそろ正午前。
館内も人が混み始めた~。ような。

ここまでは外国人観光客は来ないかなぁ。
と思いつつ、ふと顔を上げて「あれ?」

太閤園が影も形もない。
藤田観光が3年前に売却したそうな。

そして、今は更地~

時代の流れを感じるわ~

★藤田美術館のバックナンバーリストはこちら

 


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