先日、杉並区の民主・社民クラブのメンバーで北海道に視察に行ってきました。
1日目は帯広空港からレンタカーで2時間弱のところにある
鹿追町のバイオマスプラント
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/nss/2_kannri/sikaoe_image.htm
そして2日目は千歳市の「そなえーる」という名称の防災学習交流センター
http://www.city.chitose.hokkaido.jp/index.cfm/84,42974,135,686,htmlです。
鹿追町の町長さんとお話をさせていただきましたが、先進的な取り組みを推進していくための強いエネルギーをお持ちの方で、
鹿追町ならではの施策に取り組み、見事成功させていました。
いままでは処理に困っていた牛の糞尿を一箇所に集め、メタンガスをエネルギーとして活用し余ったものは売電をしていく、
そのプラントの設計においても鹿追町の気候風土、メンテナンス性を考慮して進めていく、
という外部の人間に任せてしまうようなお仕着せでない取り組みに、
町長と町議会、そして役場の方々の真剣さ、力強さを感じました。
千歳市の「そなえーる」は自衛隊の基地に囲まれた市の立地条件の下、
戦車が通行する道路と住宅街の騒音と振動の緩衝地帯として
発案された施設であると言う説明がありました。
都内に比べるととてつもなく広大な敷地に恵まれたこの施設は
これからの自然災害などに備えるあらゆる情報を体で体験できる場所として
もっと機能が盛り込まれていくと良いなと感じました。
地震体験のコーナーがあり、体験をしてみたのですが、杉並区の総合震災訓練の時に登場するような、
トラックの中にダイニングテーブルがあり、がたがたと横揺れがする、といった単純なものではなく、
阪神淡路大震災の地震の様子を再現していて、横揺れ、縦揺れ、を含めた揺れ方と時間を体験できたことは驚きでした。
そして、死者を6000人以上出した17年前のあの阪神淡路大震災の地震の時間が
僅か、わずか、たった8秒の出来事だったということにも改めて驚きました。
その8秒間の瞬時の揺れによって大火災が起こり、建物や高速道路が倒壊し、人々の命を奪ったのです。
今、私は都市環境委員会の副委員長として委員会の視察先として神戸市に行き、
震災後の復興の取り組みを聞いてきたいと考え、提案しています。
そして、千歳市の人口の約3分の1は自衛隊関連の仕事をしており、平均年齢も30歳代後半と若く、
まちの成り立ちは基地とともにあります。
有事の際の訓練が主だった自衛隊が、今では災害派遣の復旧の担い手として国民に認知されるようになった現在では、
千歳市においての自衛隊に対する認識が大きく変わったのではないでしょうか?
3.11の東関東大震災の発災時に、わずか10分くらいで1発目の偵察機が飛び立ったのは有名な話ですが、
千歳市から飛び立ったこの偵察機が発する爆音は比類ないもので、
住民の方にはすぐに「ああ、偵察機が飛び立ったな」と気づいた方もいらっしゃるとのことでした。
施設の視察をしている間中、休むことなく大砲のポーン、ポーンという音がしていて、
すぐそばに演習場があることを伝えてくれていました。
視察旅行と言うと議員特権で美味しいものを食べに行く気軽な旅行のように聞こえますが、
宿泊先はビジネスホテル、食事は各自負担という極めて当たり前のいわゆる出張です。
その施設を現地で見て、説明を聞き、音を聞き匂いを感じる、そのことによって机上の勉強では感じることのない、
紛れも無い体験をしてくることが出来る、それが視察だと考えています。
この視察を糧にして、また新しい区政へとつなげていくこと、それが区議の仕事だと考えています。