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春日一幸 その2 佐野 眞一

2016年07月25日 00時12分49秒 | 雑学知識
 「新 忘れられた日本人」 佐野 眞一 毎日新聞社 2009年

 味のありすぎる政治家・春日一幸 その2 P-119

 この当時、民社党は「春日党」と呼ばれていた。春日が私の目の前で、秘書を「娘ッ!」「坊主ッ!」と呼び、書記長の塚本三郎さえ「サブッ!」と呼び捨てにしたのには驚いた。
 ちなみに、独特の名古屋弁で一部には熱狂的な人気のある河村たかし(現・名古屋市長)は、春日の元秘書である。そういえば、春日と河村のキャラクターにはどこか通じるものがある。

 春日は、身長158センチ、体重65キロと典型的な短躯型である。頭髪は総退却し、唇はぼってりとぶあつい異相である。全体に造作が大きく、政治家としてはトクな顔立ちといえる。それ以上に強烈な印象を残すのは、口を開けば必ず出てくる明治の壮士風天下国家論である。
「小なりといえども民社党」「不肖春日一幸」「幾山河を乗り越えて」「おそれず、たゆまず」「鉄火、熱火の国民路線」。春日の演説には金言名句、金科玉条、故事来歴の数々が豪華ケンランと織り込まれ、低く高く、時には声涙下る弁士ふう名調子は、内容はともかく、一度聞いたら、絶対に心をギュッとつかんではなさない。


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