「大本営発表」 その7 改鼠・隠蔽・捏造の太平洋戦争 辻田 真佐憲 幻冬舎新書 2016年
「はじめに」 その6
ましてこの国では、現在でも、政権による報道への介入がしばしば問題になっているのである。今後どのように政治と報道の関係が変化するかわかったものではない。世界的に見ても、政権によるメディア・コントロールの動きは決して過去の話ではない。
再びいうが、大本営発表は日本メディア史の最暗部である。政治と報道が一体化したときに生ずる悲劇を、これほどよく示しているものもない。したがって、その再来を心配しても、決してしすぎるということはあるまい。
本書の目的は、主に太平洋戦争の歴史をたどりながら、大本営発表の破綻の原因を詳(つまび)らかにすることである。では、なぜわれわれは大本営発表の歴史を知らなければならないのか。それは、この悲劇的な歴史を広く共有することで、政治と報道が再び一体化するという事態を防ぐためにほかならない。本書が最終的にめざすところも、実にここにこそあるのである。
「はじめに」 その6
ましてこの国では、現在でも、政権による報道への介入がしばしば問題になっているのである。今後どのように政治と報道の関係が変化するかわかったものではない。世界的に見ても、政権によるメディア・コントロールの動きは決して過去の話ではない。
再びいうが、大本営発表は日本メディア史の最暗部である。政治と報道が一体化したときに生ずる悲劇を、これほどよく示しているものもない。したがって、その再来を心配しても、決してしすぎるということはあるまい。
本書の目的は、主に太平洋戦争の歴史をたどりながら、大本営発表の破綻の原因を詳(つまび)らかにすることである。では、なぜわれわれは大本営発表の歴史を知らなければならないのか。それは、この悲劇的な歴史を広く共有することで、政治と報道が再び一体化するという事態を防ぐためにほかならない。本書が最終的にめざすところも、実にここにこそあるのである。