標高330mのモノローグ

富士山の10分の1、東京23区最高峰の10倍の山間に暮らして20年。地域の自然や思いを綴ります。

男の子を救出した70代男性に脱帽! 無私、無欲のボランティア活動。

2018-08-16 21:57:19 | 日記
昨日、3日間行方不明になっていた2歳の男子が無事救出された。捜索のボランティアとして参加した70代の男性が、発見し母親に手渡した。

ボランティアの男性は大分県から、救護などに必要な備品を携えて自家用車でやってきた。男性は救出後、男の子の祖父から言葉でお礼を述べられ、家に上がり更にお礼の気持ちを表そうとする祖父に対して、「言葉以外の礼はいらない、お茶もいらない」と応じていた。

この男性は過去にも震災や大雨災害による被災地を訪れ、ボランティア活動を行っている。現地に一切迷惑をかけないと、米、水などの食料品や自炊のためのボンベなどを車に積み、宿泊も車の中で行っている。65歳で自営の魚屋を廃業し、以降、ボランティア活動をしているという。

無私、無欲の活動だ。
同じように行うことはなかなかできない。ただ、尊敬するばかりである。

ところで、「ボランティア活動」と聞くと、思い出す出来事がある。

あるリハビリ施設に勤務していた時、ボランティア活動を申し出た団体があった。その団体は、文書や本などを点訳する養成講座を終了したばかりの人たちの集まりであった。代表の方は「リハビリ施設におられる眼の不自由な人は、点字をこれから習得しようとする人たちだと思う。私たちも点字の初心者なので、正しい点訳に自信がない。これから点字を学ぼうとする初学者を対象とするので、少々ミスがある点訳でも、許されるのではないか」というようなニュアンスで話していた。

私は、10数名の点訳ボランティアの方に次のように話した。「これから点字を学ぼうとする人たちに、少々間違った点字でもよいとするのは誤りだ」。「初学者だからこそ、間違いのない正しい点訳により学ばなければならない」。「利用者の方のニーズは、点字を習得する前に、外出する時のガイドをしてほしい。シャツのボタンが取れたときのボタン付けをしてほしいなどです」と話した。その後、この団体のメインのボランティア活動は、外出時のガイドをしていただくこととなった。点訳は団体の中で一部のベテランの人が行うことになった。

ボランティア活動をしたいとの志は尊いものだ。しかし、ボランティア活動をする対象者のニーズをしっかり把握した上で、活動をすべきだ。とかく活動をする側自身の満足感を満たす気持ちが生じやすい。高じると優越感となる。上から目線にならぬようにしなければならない。

今回の大分県の男性のように、無私、無欲でなければならないと思う。
コメント
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