不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Cane da Strada

2008-03-06 21:09:02 | 日記・エッセイ・コラム

フィレンツェにもあちこちにたくさんいる路上生活者ですが
特にワンコを引き連れているパンクなファッションの若者を
Punkabbestiaと総称します。
*と思っていたらどうもちょっと解釈は違うようでした。
詳細はこちら

彼らはたまに道端で演奏したりもしますが
ほとんどは道行く人に物乞いをして生計を立てている様子。
ドラッグかアルコールの影響でふらふらしていることもしばしば。
そして彼らの大半が大型犬を引き連れています。
決して小型犬ではないのですね。
仔犬でも「でかくなるぞ」と主張しているわんこがほとんどです。

彼らを見るたびに、
「あのワンコたちは何食べているのだろう」
と心配になるのですが
ビリーよりもよっぼど肉付きもいいので
それなりにご飯はもらっているのでしょう。

Cane_da_strada_01

Cane_da_strada_02

陽だまりで眠る路上生活犬たち。
まぁこれはこれで幸せそうです。


Il Ponte Santa Trinita

2008-03-04 07:31:30 | アート・文化

イタリア国内でも最も美しい橋の一つとして挙げられる
フィレンツェのアルノ川にかかるサンタ・トリニタ橋。
Santa_trinita
サンタ・トリニタ広場とフレスコバルディ広場を繋ぐこの橋は
フレスコバルディ家(Frescobaldi)の
全面的な経済支援を受けて1252年に作られ
近くにある教会(Chiesa di Santa Trinita)の名を冠しました。
当時は木製で、
1259年にアルノ川で行われたショーを観賞する人々が押しかけ
その重みに耐え切れず崩壊。
その後石造りですぐに再建されましたが、1333年の洪水により崩壊。
この洪水の時には上流のPonte alle Grazie以外は
すべての橋が流されています。
この洪水後の再建には時間がかかり、
1356年から1415年まで製作が続けられ再建。
再び1557年には洪水による被害で崩壊し、
その再建時に現在見られる形での建設となります。

コジモ1世の命により開始された
サンタ・トリニタ橋再建プロジェクトは
バルトロメオ・アンマンナーティ(Bartolomeo Ammannati)が
中心となって1567年から1571年まで進められますが、
デザイン部分ではミケランジェロのアイデアと
アドバイスが取り入れられています。
3つのアーチに使われている楕円をベースにした曲線は
ミケランジェロが手がけた
メディチ礼拝堂内にある墓碑彫刻のベース部分や
ラウレンツィアーナ図書館入り口の大階段に使われている
曲線と同じカーブを描いています。
重たい鎖を二点から吊るしたときにできる放物線を
逆転したような曲線で
この優雅なカーブは
フィレンツェのバロック様式のさきがけとなるもので
芸術的な意味合いも強いものですが、
懸垂線アーチと呼ばれる曲線を利用していて
耐久性が高いデザインでもあり
架橋技術面からも非常に重要な要素として捉えられています。

ボボリ庭園の裏山などから切り出されていた
黄土色のピエトラ・フォルテを使って建設された橋は
再び洪水の被害に遭わないために
流木などを振り分けるように工夫された鋭角の3つの橋脚をもち、
対照的な優雅な曲線との美的調和を保っています。
アーチの部分には白い装飾プレートがつけられ、
橋の4つの角には四季を象徴する彫刻がおかれて
デコラティブになっています。

この四季のアレゴリー彫刻は1608年に加えられたもので
ピエトロ・フランカヴィッラ(Pietro Francavilla)による春と冬、
ジョヴァンニ・カッチーニ(Giovanni Caccini)による夏と秋。
もともとはトスカーナ大公コジモ2世とオーストリアのマッダレーナとの
婚礼祝福のために製作されたものです。

Primavera Primavera

Estate estate

Autunno Autunno

Inverno Inverno

第二次世界大戦終戦間際の
1944年8月4日に撤退するドイツ軍によって爆破され
1958年5月16日に元通りに再現されていますが、
当時既にボボリ庭園裏の採石場は閉鎖されており、
この橋の再現のためだけに
採石場が開けられ必要な採石を行いました。
アルノ川に沈んでいた四季のアレゴリー彫刻も回収されましたが
春の頭部だけはなかなか見つからず、
ようやくすべて回収されて元通りになったのは1961年。


Praline di Meditazione

2008-03-03 00:19:24 | Squisito!

相変わらず、花粉症の症状が続いています。
アレルギー症状が出ている時は
たぶん刺激物は避けたほうがよいのでしょうけれど
ここのところ、疲れているのか
チョコレートの消費量が増えています。

もうずっと前に購入したチョコレート。
そう、サンタクローチェ広場で行われた
「チョコレート祭り」のときに買ったプラリネ。
Praline_meditazione02
そのときは細長い箱にころころ入っている
パッケージがなんとなく可愛らしかったのと
チョコレートの上にちょっとピンクペッパーがのっているのが
珍しかったので購入したのですが
食べようと思ってよく見てみると
「Plaline di Meditazione」と書いてありました。
瞑想用のチョコレートですかね。
Praline_meditazione01
感激するほどおいしくはないけれど、
そこそこにおいしいので満足。


Camminare in modo "cosi"

2008-03-02 23:51:56 | 日記・エッセイ・コラム

引き続き「ビリーが観たフィレンツェ」撮影中。

で、こうしてみていると、
ただ歩いているときには気づかないものにも
目が止まるようになります。
普段から普通で見ないような変なものを見ている
といわれることがありますが・・・。

今日見つけたのは落書き。
フィレンツェの街にも落書きが多いのですが、
アーティスティックなものが多いのも確か。
これも結構アーティスティックでしょ。

Camminare_cosi


Terremoto a Firenze

2008-03-01 10:27:23 | 日記・エッセイ・コラム

イタリアも日本に負けないくらいの火山国ですが
日本ほど地震は多くないのが実情。
記憶に新しいのはジョットのフレスコ画にダメージを与えた
アッシジを襲った地震ですが
フィレンツェ辺りはほとんど揺れることがありません。

地盤が堅固だからと聞いたことがありますが
フィレンツェ郊外のムジェッロ辺りでは揺れることも多いのです。
それでも1200年代からの石造りの建築物が
数多く残っていることからも
フィレンツェに地震の被害が少ないことは明らかです。

しかし、今朝方二度ほど揺れました。
最初はベッドの上で二匹が遊んでいて揺れているのか
と寝ぼけていましたが
二匹とも動物的勘さえ働かせずに
私の両脇ですやすや寝ていることを確認して
やはり地震であることを確信。

静岡県民でいつ伊豆沖地震や
東海沖地震が来てもおかしくない状況で育ち
身体が地震の揺れを覚えているせいもあり
こういうことには敏感になりがち。

一緒に暮らしていたルームメイトが気づかない揺れにも
敏感に反応して驚かれたことがありますが
今回の揺れは体感で震度2-3はあったはず。

伊豆の実家と違ってフィレンツェのこの家は
耐震対策なんて何もしていないどころか
ぼろぼろの1500年代の基盤の上に建て増しされている
典型的なフィレンツェの古い家です。
大きな揺れにならないといいけどねぇ。

*結局13回ほど揺れたようで、
ニュースでも取り上げられていました。
しかし、メディアによって13回というところと15回というところがあり、
なんかいい加減なイタリアを改めて実感。