1939年ピストイアに生まれた現代彫刻家。
現在はフィレンツェ在住のRoberto Barni(ロベルト・バルニ)。
1950年代から絵画制作を始め、
さまざまな素材(鉄、木材、写真、新聞)を使った抽象絵画を発表。
1960年代から現代に至るまでの
イタリア現代アートの代表作家の一人。
人体を造形的な要素で表現するというテーマに基づいて、
非常に個性的な作品を生み出しています。
彼のこうした人体像は常に「歩く」という形を基本にもち、
微妙なバランスを保って静止しているようで
実は緩やかな、そして時にはダイナミックな動きを表現。
前進の戒告、行く道の長さの兆し。
我々が常に対面するもどかしさ。
赤い服を着た金色の顔が特徴的な男性像。
赤と金色を使うことで
どこか古代の聖職者の力を髣髴とさせる
不思議な厳粛さを漂わせています。
土台を使わず、広場の地面に直接置かれる彼の作品は、
不思議とフィレンツェの日常生活や行き交う人々の中に
溶け込んでいるような気がします。
ウフィツィ広場におかれるものはVaso。
ウフィツィ美術館に収蔵される作品を生み出した
偉大なる作家たちへのオマージュ。
共和国広場に置かれる作品はSadovasomaso。
偶然そこに転がっているような
ドラム缶に上下さかさまにしがみつく対の男性像。
ピッティ宮殿にはAdagio。
今まさにゆるやかに起き上がろうとする男性像。
内にあるダイナミックさを表す作品。
因みに展覧会のタイトルとなるGambe in spallaの彫刻群は
ボボリ庭園内に展示されています。
Gambe in spalla(ガンベ・イン・スパッラ)というタイトルの展覧会は
第一部がフィレンツェの共和国広場、ウフィツィ広場、
ピッティ広場やボボリ庭園の屋外彫刻展示で
2007年6月25日から2007年10月30日まで。
第二部は国立考古学博物館などで展示される彫刻と絵画作品展で
こちらは2007年8月7日から2007年11月30日まで。
共和国広場に転がる「ドラム缶と二人の男」は
毎日お目にかかるのですが
見るたびになぜか「ルパン3世」を思い出して
なぜか、イタリア語バージョンのルパン三世のテーマが
朝から脳みそをぐるぐる回って大変です。
そして夕方には子供たちがこのルパンによじ登って
楽しそうにしている姿がなんとも異空間な感じ。