一部の作品が大々的に公開されているので、
もうそろそろ、いろいろ書いてもいいかなと思ったので、まとめ。
11/24‐11/29の期間限定で表参道スパイラルガーデンで開催された
吉川晃司とUL・OS展にはHIRO KIMURA氏による作品が9点展示されていました。
単純なCMタレントとしてではなく、
大塚製薬さんのUL・OS Questionsというプロジェクトの
根幹から関わることになったらしい吉川さんですが、
そのおかげで、
その生き様を表現する貴重な機会が生まれたことはありがたい。
58歳とは思えない、見事に鍛え上げられた体躯と
まさに58歳ともいえる刻み込まれた皺が、とにかくかっこいい。
吉川晃司とUL・OS展「からだから生きるを問う」
9つの問いと9枚の写真。
そこに答えはなく、
一人ひとりが自分と向き合って考えるきっかけを作る展示でした。
「人の生き様というのは、からだ全体で示すものなんだよ」
吉川さんのそのことばを見事に映した9点でした。
展示会場で唯一撮影が許可されていた作品は
どこかせつなそうにも見える表情のアップで、
なによりも美しく広い鎖骨にくぎ付けに。
息ができないくらい、美しいなって思い
落ち着いてからは何度も作品の前を行ったり来たり。
・あなたはちゃんと自然ですか?
こちらに背中を向け両腕を広げている作品。
追いかけても追いかけても追いつけない広く大きな背中は
これからも私の道しるべだなぁと思う。
・ほんとのあなたはどこにいった?
正面を向いて両腕を下げているだけなのに、
その両腕に走る筋肉の一つ一つが意志を持っているように力強い。
ハドリアヌス帝の別荘で見つかった円盤投げの像が一瞬脳裏をよぎる。
・誰かを演じて生きてません?
右手右足が前に出る右半身の構え。
私にとってはこの右手右足前が自然な構えなのだけど、
吉川さんもそうなのかなぁとこの作品の前で、
過去の映像をプレイバックしながら考えていた。
・じぶんらしさを育てるものはなんだろう?
背中を向けて木々の間に立ち少し左側を向いている、
今回の作品の中で実は一番好きだった作品。
元気な毛穴も、そうセクシーな口元のほくろもよく見える一枚。
・ありのままでいいんじゃない?
新宿の高層ビルを見下ろす場所で
少し右側を向きながら胸を開いて後ろ向きの立ち姿。、
浮き上がる肩甲骨も鎖骨と同じように美しい。
・美しさの正体はなんだろう?
ロダンの考える人っぽい左向きの座位。
でも考える人よりは戦い終えたボクサーの感じかな。
太ももに這う絹糸のような体毛にぞくっとする。
・印象ってつくるもの?そなわっていくもの?
岩か木肌のような堅い物質によりかかったアップの作品。
どこか遠くを見つめているような表情に、鵜堂刃衛を思い出す。
・これからどんな道を歩いていく?
右を向いて湖畔を歩くショット。
歩いてきた人生の重みを感じさせるような重量感のある作品で
見ていて、思わず肩に力が入る。
ブランドをともに作り上げるというプロジェクト。
この先も長く続くプロジェクトのようで、
吉川さん以外にも様々な分野の己の信じる道を歩む方々との対話の中で
よりよく生きることとはなにかを問い続けていくということで、
吉川さんの出番もまだまだあるのかなと期待しています。