近代住宅史を卒業論文の仮のテーマにしていた終盤に、ふと手に取って、大学生活を一変させた本です。
これを機に、言語論理から離れ、視覚による「近代美術と建築史の比較」という入口から、後年、未完の「ダダ・シュールレアリスムノート」という中継点へ向かいました。
衝動から方法へ、身体が感じる不思議を表するために、ノートの纏めは散文に。
「表参道駅からケヤキ並木を降り、明治通りを超え、坂を上り、山手線を超えて明治神宮へ。
鳥居をくぐり、砂利を踏みしめる音と圧覚、緩やかに曲がり下って小橋を渡り、
林の間、灯篭に視点をおきながら、息遣いと周りの音に満たされて、
ゆっくり上がり、左に曲がり、正面の灯篭に近づいて右90度、、、。
手水、手を洗い口を濯いで、門を跨ぎくぐり社殿の中へ・・・。」
「モノと心」へ好奇心が、
アフォーダンス、非言語コミュニケーション、文化人類学、心理・認知・脳・行動科学と、センシング・デジタル化で、積み重ねと差異の分析が容易になってゆくでしょう。
静と動、タナトスととエロス、
その差異を感じ合う運動系・神経系・循環系のまとまりとしての心身は、
表紙の絵を、地球の表面にしがみつく細胞に見立てられるのです。
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