都市高齢者を地方へ分散という厚生労働省。保育園の場所確保に保険会社まで動員しようという案もある。
それなら、国土交通省とちょっと協力すれば、エキウエ・線路上が空いている。
交通要所のエキウエなら、生まれ・育ち・働いた街を見下ろし、家族や友人・仲間など、集う機会も場所も増える。高層化すれば、医療・介護・リハビリ関連の複合化、つまり生活を軸とした再開発ができる。これまで、生産と流通を軸にした二次元移動を、三次元の都市複合再開発へ。組織化・連携されたエレベーターは、バリアフリーの平面をつなぐ。車椅子でもベビーカーでもアクセス抜群。子育て家族の保育所も通勤にも至便。上下水道から建築設備、そして構造もエレベーターも耐震対応で、エコでクリーンな都市基盤へと移行してゆく。
そういえば、JRは国有鉄道だった。エキナカにして、駅周辺商店街を衰退させるばかりではなく、空中資産を、少子高齢化に対応する都市再構築の公共事業でこそ活かす立場。
街の維持費・エネルギー使用量の最小化を求め、超高齢・少子社会への対応をする結果、中心市街地が生き返り、人の交流がさらなる創造力を生む。
21世紀に入った100年計画、いまからでも遅くない。都市インフラは3世代後を見据える必要がある。特養を地方へ?保育所を駅チカの保険会社へ?個別課題をバラバラに対処してゆけた高度成長期は20年前に終わっていたのだ。バラバラを情報化でネットワークしながらのインフラ再構築に着手する最後のチャンス。少子・高齢化が進む国の生産力を維持し、国際収支を維持してゆくためには、この可住地域の狭さ・人口密度の高さを前提にした施策が必要だ。すでに、石油資産のある砂漠の国は、次の時代の都市作りに入っている。